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つば木
舞台に一筋のスポットライトの明かり
周囲を包む黒の暗幕が、まるでヒロインを撫ぜながら手の内に籠めようとしているかに見える
金字塔のように注ぐ明かり
その中の、細く筋張った軽そうな体の少女から
ずるりと外れた左腕が、暗幕の外に落ちる
暗闇にぶつかった鈍い音
目方と音で6キロはあるだろうか
右腕も6なら、足が6……7キロか
四肢を揃えて26キロ
頭が8キロとして……34
はて、あのやつれた子供は145センチくらいか
見た目に40キロはありそうだったが、首から尻で6キロとは思えぬ
そうすると私の目方が狂うが……
まぁいい、思索に耽る間にすっかり剪定も終えてあとは首だけか
紅葉した頬の少女と目が合う
美しい
私は、つい見事な花の表情に首をもたげて蕩けそうな笑顔を向けてしまった
少女の首が床に転がった
青く冷えた首を抱き上げて考える
やはり7キロくらいか
さて、どこに飾ろうか