表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退魔の魔術師  作者: 霜野睦月
第3章 衝突
77/77

16

片霧紫艶かたぎりしえんの名前が教会に所属している全魔術師に通達され、包囲網が敷かれてからは発見されるまでそう時間はかからなかった。

正確には発見というより目撃証言だ。


これまで消息不明だったのが嘘のように報告が上がってきた。

ある時は妙齢の女性の姿で、ある時は年老いた男性の姿で、またある時は性別不明の幼子だったりと正に姿形を変えて出没していたのだ。


遭遇した魔術師達は一様にそんな悪さをする様な者ではなかった、魔術への探究心が素晴らしくこちらの研究が進んで感謝したいくらいだと口を揃えて言っていたそうだ。


なんだその犯罪を侵した関係者に対するインタビューみたいなありきたりなコメントは。

もう少し警戒心を持って関わるべきじゃないのか。


それはさておき、報告された姿の数だけ被害者がいることは紛れもない事実。

被害者からとあちこちを放浪して習得したであろう魔術も膨大な数になる。

桜を狙っていた事もそうだが、『鬼』の作成の件もある。

一体何を目的に行動しているのかは謎のまま。

正直不気味でしかない。


「……訳が分からん」


「そうね、私もよ」


「およ?皐月さん来てたんだ?」


「玄関の鍵、開けっ放しだったわよ。いくら強いって言っても不用心すぎるんじゃないかしら」


「そいつは失敬」


「まあいいわ。それで考えていたのは片霧の事よね?」


「今のところ自分に対しての直接的な被害は無いにしても身内に被害はあったから。消息は掴めても本人に辿り着かないし、これまでの事を考えると何を考えているのやらと」


「そういえばなんだけど」


「ん?」


「先代と神無月さんには話したのかしら?」


「あ」


やっべ。被害者本人呼べるやないかーい。

感動の別れみたいな事になってすっかり忘れていた。

魔力量は……皐月さんの分もあれば足りるな。

よし、やろう。今すぐ呼ぼうそうしよう。


「忘れてたわね」


「はい、忘れてました。それより魔力貸してもらえます?」


「そのつもりで来たのよ」


「ではお手を拝借」


この間は初回ということもあって失敗しないよう大層な感じになってしまっていたが、コツを掴んだ二度目ならばもっと簡潔に出来るので早速来ていただきましょう。


「よっこらせ」


リビングのドアを『冥府の門』に見立てる事で簡易化、そこだけが黒い扉へと変化する。

ギギギと鈍い音を響かせて開かれた扉からは……誰も出てこない。


「あれ?手応えあるんだけど何故に?」


「知らないわよ。簡単にしすぎたのが悪かったんじゃない?」


「おーい、お二人ともー?出てきて下さいよー?」


しばらくの沈黙の後、何ともバツの悪そうな声が扉の奥から聞こえてきた。


「……呼ばれるの早くないか?」


「そうだぞ祐介。結構感動的な別れになっていたのだからもう少し情緒と言うものをだな……」


「いやいやそんな事より色々聞きたいことが出来たんで」


「そ、そうか……」


「そんな事……私の孫酷くないか……?」


「はい、情報共有しまーす」


「「雑だな!?」」


結構一大事なんですよ現世は。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ