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退魔の魔術師  作者: 霜野睦月
第3章 衝突
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何だかんだすったもんだあった執行部の如月を巻き込んでの戦闘はこちらに一方的な利益をもたらす結果に終わった。


言質を取られた如月に拒否権はなく、執行部が執行対象から収集し保管していた各種武器が七神家に運ばれては試し斬りという名の鈴花のストレス発散に使われ、その都度武器のコピーと補強を加えて返却されていった。


運び屋と化した如月の目から善意の光が消えたのは割と早い段階だったが、流石に申し訳ない気持ちもあったので鍛練に付き合う事で迷惑料代わりと実力をつけてもらった。


「ふふふ……今日の得物は……じゃーん!中国から密入国した魔術師が作成していた雷公鞭らいこうべん!これですよー♪ほらほら、鈴花さんを呼んできてくださいよー♪嗚呼、早く使ってみたいんですー♪」


色々と変わってしまったのは否めないが。


「すっかり武器マニアになってしまった件について」


「野暮用で協会に行ったら歩く武器庫って言われてたわよあの子。隠すつもりはないのかしらね」


「なんてこった」


「七神家に通ってるのはもうバレてるでしょうし、近いうちに何か動きがあるんじゃない?」


「その事は心配せんでええよ。聖子ちゃんがやたら強くなったから何事かって上司が詰め寄ったらしいんやけどな。正直にうちに行ってますってゲロったみたいで顔色変えて何日か前に菓子折り持って挨拶に来よったから話つけといた。もちろん祐介の事は伏せといたから安心しい」


「さらっと終わってたんかい!」


「戦力拡充になっとるからええんよ。後は父さん達を殺った魔術師の捜索だけやけど、話のついでに執行部にハッパかけといたから近々見つかるやろ」


「重要な事もさらっと言うなよ!」


「しっかり準備しとったら無問題モーマンタイや。ほな祐介、聖子ちゃんから武器受け取ったらさっさとやるで」


「あぁ、もう分かったよ……」


そうして今日も今日とて武器を振るうのであった。







一方その頃、執行部内では緊急の会議が行われていた。


「七神家当主からの依頼についてだが……」


「はい。魔術師が消えたという報告は確かにありました。ですが魔術師が突如消えるというのはさして珍しい事では無いため聞き流す程度にしており、正確な数の把握が出来ておりませんでした。七神家当主の依頼を受け、改めて集計を取ってみたところ、ここ数年、高位の魔術師のみが消えておりました」


「……人数はどれくらいだ?」


「恐れながら申しますと……百を超えております」


「……事態はそれほどまでに深刻だったというわけか」


「人員総出で遺体の確認を行いましたが発見には至りませんでした。七神家当主からの情報提供と照らし合わせると非常に緊急性が高い案件になりますがいかが致しましょうか?」


「消えた魔術師の専門とその詳細を全て調べろ。それと死霊術を専門とする全魔術師の招集もかけろ。何処かに関連性がある筈だ。これは執行部の面子にかけて調査するのだ、いいな」


「「「「「「「はっ!」」」」」」」


「……全く勝臣よ、どうしてお前の一族はこうも面倒事ばかり持ってくるのだ。今年でこの席から引退というのに最後の最後でこんな事になるとは……とほほ……」


今は亡き旧友にボヤきながら執行部室長は椅子に深々ともたれかかった。

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