10
そんなこんなで実家を訪れる事になった訳だが。
「どうして私は……七神家の前に……いるのです?」
「祐君の実家だからよ。あと私の嫁ぎ先ね」
「えっ?えっ?えっ???」
混乱する人物が約一名。
言わずもがな、如月聖子である。
「そう言えば如月さんが強烈すぎて名乗ってなかった」
「面倒だっただけでしょ?」
「そうとも言う。こほんっ……どうも、七神祐介です。一応『雷神』の息子であるのと不本意ながら皐月さんの未来の旦那です」
「不本意とは失礼ね。毎日愛し合ってる仲じゃない。後は婚姻届を出すだけなのに」
「一段落着いてからにしましょうって言ってるじゃないですか。今更逃げはしませんよ」
「……はっ!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさい許して下さい許して下さい許して下さい許して下さい許して下さい何でもしますから何でもしますから何でもしますから!!!」
突如玄関先で見事な土下座で命乞いをする如月。
近所迷惑なので止めて頂きたい。
「何でもって言ったわね?それじゃ行きましょうか。水月には準備しておくよう言ってあるわ」
無慈悲にも如月を抱えて敷地に入っていく皐月。
悲鳴が聞こえた気がしたが聞こえなかったことにしよう。
やけに準備がいいなと思ったが元々は自分とやり合う予定だったと後から聞いた。
替え玉となった如月には申し訳ないが正直助かった。
「さっちゃん?どしたんその子?」
先日武道場から石のリングに様変わりした場所に向かう途中で家の奥から出てきた鈴花に遭遇した。
「あら、師匠。昔に縁があった子なの。祐君の代わりにこれから一戦交えるのだけど見ていきます?」
「ほほう。わざわざ連れてくるくらいやから強いんやな?面白そうやし見とこかな。それでこの子の名前は?」
「は、初めまして……如月聖子です……」
「えらい元気ないやん?」
「睦月の事務所でちょっと一悶着あって、その事が執行部の上司にバレたら不味いとか。まあ師匠にこうして出会った時点で手遅れなんだけど」
「何や執行部の子かいな。むっちゃんの事務所で何があったかは後で聞くとして……」
「上司に!上司に報告だけはご勘弁を!」
「報告せん代わりにうちとやろか」
「ちょっと師匠、横取りは駄目です」
「さっちゃんも一緒でええさかい」
「それならいいです」
それでええんかい。
次回、如月死す!
嘘です。




