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退魔の魔術師  作者: 霜野睦月
第1章 遭遇
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6

「それじゃ桜ちゃん、これが解決するまでゆーちゃんの所で大人しくしとくんやで? あんまり無闇に出歩くのは禁止やから殺されたくなかったらそこんとこは守ってな?」


母の一言で御影桜の顔色が一気に蒼くなる。

最後の最後できっちり釘を刺しておく所は我が母らしいと心の中で拍手喝采。

余計な事をされても困るからな。


「ま、こっちは人に恵まれとるし桜ちゃんがそんな目に合うことはまずないやろうから安心しい。 どうしようもないと思ったらウチも参戦するし。 そゆことだからゆーちゃん。さっさと終わらしてしまいな?」


訂正、変なところでプレッシャーをかけるとこがホント我が母らしいですよ。






一通りの説明を受け事務所を後にし、御影桜と一緒に自宅へ戻る。


「ねぇ、貴方のお母さんっていつもあんな調子なの?」


「あれでも抑えてた方ですよ。酷いときなんか……ダメだ寒気が」


「……頑張りなさいよ」


それっきり会話が途絶える。

何となく気まずい雰囲気になるが、相手は初めて来た土地なんだろう。

辺りに何があるか見るのにキョロキョロしっぱなしである。


「この辺に来たのは初めてですよね?」


「んー……初めてのはずだと思うんだけど何か見たことある風景なのよね。 SNSだったかな?神社があったと思うんだけど」


「八雲神社のことですかね。確かに有名人はいますけど、あんまり出会いたくはないんで早々に立ち去りましょう」


睦月の事務所から自宅までの間には樹齢300年と言われている立派な御神木を奉っている神社こと八雲神社がある。

家業の方とも関わりがあるので毎年挨拶には必ず伺うことになっているのが七神家の仕来りだ。


毎年初詣にはかなりの人が訪れる霊験あらたかな場所ではあるが、本来の目的以外で訪れる者もいる。

その原因の一因となっているのが知り合いの有名人な訳だが、当の本人は断固として認めたくはないようで。


まあ見ず知らずの人間に何十台ものカメラで囲まれたら誰だって嫌にはなるのは当然なんだがご愁傷様としか言えない。

SNSの発達って怖いね。


「七神君、向こうから凄い勢いでこっちに来る巫女さんがいるんだけど」


「へ?」


「……っ……の……タラシがぁぁぁぁ!!」


怒号が聞こえてきたと思いきや、50メートル以上あったはずの距離が僅か数秒で0になり勢いのついたドロップキックが腹に直撃する。

あまりの衝撃に意識が持って行かれそうになるがそこは男なので耐える。

やわな鍛え方はされてない、自慢ではないが。


「あー……言うの遅かったわね」


かなり遅いですよ御影さん……

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