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退魔の魔術師  作者: 霜野睦月
第2章 邂逅
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26

その後も飛鳥の問い詰めは続いたが、のらりくらりと回避しているところでマンションのインターホンが鳴った。

リビングにある時計で時間を見てみれば二十一時にさしかかろうとしている。

モニターで来客者を確認すると問い詰めの元凶と言っても過言ではない皐月が何故か音羽を脇に抱えて写っているではないか。


「何か用です?」


「帰り道にこの子を見つけたから少しお話しをね。祐君の周りをウロウロしてるのは前々から分かっていたから気になっていたの。優しく聞いたら飛鳥ちゃんに今日の事全部話したって言ったもんだから、多分飛鳥ちゃんが嫉妬しているだろうなと思って祐君の様子を見に来たのよ」


「……見つかるなんて不覚……この人一体何者?」


「業界で知らぬ者はいないと言われているかの有名な『天災』さんだ。てっきり知っていると思っていたぞ蓮条」


「……ひっ」


「怖がるなんて失礼ねくノ一の蓮条ちゃん?また後でお話ししなくちゃならないかしら?ところで飛鳥ちゃんはまだそこにいるわよね」


「ええまあ」


「裏切り者!泥棒猫!私の祐君に何て事を!」


こちらの身体を押し退けてモニター越しに皐月へ罵倒する飛鳥。

少し『鬼』の角が出てきてるのだがここでドンパチは勘弁願いたいのでさっさと引き取ってもらおう。


「後のことは任せますね」


「という事だから飛鳥ちゃん、降りて来なさい。この蓮条ちゃんがどうなってもいいのかしら?」


「人質とは卑怯!待ってて音羽ちゃん!祐君を惑わすその悪い虫からすぐ助けるから!」


急いで玄関から出ていく飛鳥を視線で見送る。

着いていく気は全くないのでリビングに残ったままだ。


「ふーん、音羽ちゃんって言うんだ。というか何で私が悪役になってるのよ。昔から正義の味方やってんのよこっちは」


「まあまあ、大人な対応をお願いします」


「未来の旦那様に言われたら仕方ないわね」


「ぶはっ」


「あの場では冗談だって言ったけど私は割と本気よ?全部終わったら何処か遠い所に二人きりで出かけましょ。温泉なんかいいわね。勿論混浴よ」


「……からかってません?」


「ふふふ……まあ私に勝てたらだけど。いつも手を抜いてるのはお見通しだから一度全力でぶつかってきて欲しいわ。熱く滾らせてくれるのを期待してる」


「……前向きに検討しておきます」


我世の春はまだ過ぎていないようだ。

姐さん女房はバッチコイである。


頭の中で天使がラッパを鳴らしお花畑を広げていたところで、それをかき消すガラの悪い言葉が聞こえてきた。


「ゴルルルアアァァ!!!何ほざいとるんじゃワレエエエ!!!ブッッッKill You!!!」


頭のネジが遥か彼方に飛んだ飛鳥が到着したようだ。

ここまで語彙がおかしくなった姉を見たのは初めての事だが近所迷惑なので止めて欲しい。

桜と同居する前から女性の出入りが激しいと訝しげな目を向けられているのにこれ以上悪化したらどうしてくれるのだ。


「うわー……『水姫』のやつ、絶対面白がって力貸してるわね。そっちの方が私的には楽しいからいいんだけど。じゃ、そういう事でまた今度。ほら、おーにさんこちら〜♪手の鳴る方へ〜♪」


騒がしくマンションから去っていく二人と荷物一人。


「嵐は去った……のかな?」


「去りましたね。次に姉さんが来た時がちょっと怖いですけど、皐月さんなら何とかしてくれるでしょう」


「ところで皐月さんって誰?鈴花さんが言ってたさっちゃんさんで合ってる?」


そういえば桜に紹介してなかった事を思い出し、その日は皐月の紹介と昔話をして終える事となった。

なお話を聞いた桜の感想はと言えば、


「リアル峰不〇子……やっぱり男は顔とスタイルなのねそうなのね……泣いてなんかいないんだから!」


血の涙を流してたら説得力がありませんよ?

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