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連休のうちに少しでも……!
「とりあえずそこの駄鬼を降ろしてもらえます?」
「だってさ」
皐月が水月にローキックをかまし鋭い音が武道場に響く。
おいこら水月、恍惚な顔をするな気持ち悪い。
「おや、私に用でしたか。皐月様、今日もありがとうございました。次はいつにこちらに?」
「また明日来るわ。それまでに動きを修正しとくから」
「今日もって言ったよな?言ったよな?お前まだここに来て日が浅いだろうが」
「ほっほっほっ。では失礼して」
誤魔化し笑いをしてから己の腕力だけで縛っていた縄を引きちぎり床に着地する。
それを見て吊るされていたのは水月の趣味だと分かった。
分かりたくはなかった。
「それで祐介様、私めに何用でしょうか?」
「お前の身体の調整に来たんだよ。母さんも待ってるからさっさと行くぞ駄鬼」
「調整ですか?今でも十分だと思うのですが」
「『鬼』の力を万全に使える様にする。今のままじゃ空気の入りすぎた風船と同じだ。家の中で破裂されては掃除が面倒だからな。お前は七神家の一員だと母さんに認められたからやる事やってやるんだよ」
「ご主人様聞きましたか!次からは魔力ありで訓練が出来ますよ!!!嗚呼、何と喜ばしい事でしょうか!!!更なる快感がすぐそこに!!!」
「ツッコまないぞ、ツッコんだら負けだぞ俺」
「それもうツッコんでるでしょ」
外野の声を無視して二人を鈴花の元に連れて行く事にした。
鈴花の部屋に入ると『創器』を行う準備がされていた。
準備と言っても布団が敷かれているだけだが。
「ほなさっさと終わらしてしまおか。祐介、あんたはもう出来るやろうからうちは見とくだけにしとくわ」
「へいへい。皐月さんもいるけど見せていいのか?」
「さっちゃんに覚えてもらおうと思うからええんよ。もうちょい先に教えようと思っとったけど状況が状況やし、うちらに何かあった時に誰も使えんくなったら七神は終わりやしな」
「それってつまり皐月さんを七神家の後継者候補にするって事だよな?本人の意思はいいのか?」
「って祐介は言っとるけど、どない思っとる?」
「別に構わないわ。『鬼』を宿したところで私は私だし、師匠の強さに近づけるなら気にしてないもの。後継者になってもやりたい事はやるつもりだから。それに……」
「それに?」
勿体つけるように次の言葉に溜めを作る皐月。
そして爆弾発言が飛び出した。
「祐君との子作りなら嫌じゃないわよ」
真っ直ぐな目でこちらを見てくるが発言の意味がすぐに飲み込めなかった。
「………………へ?!は?!ちょ?!」
「ははははは!良かったやん祐介!お嫁さん出来たで!さっちゃんならうちも安心やわ!七神も安泰やな!逆プロポーズとかうちと同じやん!はははははははげほっげほっ」
「ご主人様のご主人様……?」
混乱する自分。笑い過ぎてむせる母。とち狂った発言をする水月。
カオスな空間が出来上がっていた。
「お互い肌を見せ合った仲じゃない?」
「さっちゃんもやり手やなー!いいぞー!」
「え、あ、いや、それは皐月さんが勝手に……」
そう勝手にベッドに潜り込んでいた。姉と一緒に。
「否定しないなら責任取ってもらわないと……ね?」
艶めかしい雰囲気を纏いこちらに身体を寄せてくる。
大人な女性の色香といつの日かに覚えのある柔らかさにどうにかなりそうになり、
「え、あ、はい……」
思わず返事をしてしまう。
……さよなら独身生活、ようこそ新婚生活。
頭を真っ白にしながらそんな事を考えるが、その考えもすぐに終わりを迎えた。
「……あはははは!冗談よ冗談!師匠も間に受けないで下さい。まだ何もしてないですから。祐君ガード固いですし飛鳥ちゃんが始終見張ってますからしたくても何も出来ないですよ」
耐え切れなくなったら皐月が笑い出したのであった。
いや、まだって何ですか?襲うつもり満々ですか?どういう事ですかそこの説明を詳しく!気が気じゃないんですが!
わちゃわちゃ回が続きましたが次は真面目な回になればいいな(願望)




