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人工的にと聞いていた時点で予感はあったが腑に落ちない点がある。
「人の身体に『鬼』を留めるのは七神の専売特許のはずだけど、水月はどうして生きている?普通は身体が持たず死ぬはずだ」
七神家の秘術、『創器』によって『鬼』を受け入れる身体を造らなければ内から『鬼』に喰われ、その者の正気は失われると同時に肉体は耐え切れず無惨な死を遂げると教えられてきた。
なので祐介は勿論、飛鳥も鈴花も『創器』により身体を造り変えられている。でなければ強大な『鬼』の力は扱うことが出来ない。
「編み出しよったんやろな、『創器』を使わずに『鬼』を宿す方法。その証拠があっちゃんを襲った『鬼』と水月の存在やわ」
「……かなり不味いんじゃ?」
「うちが全面に出てええんなら無問題や。というか出る。あっちゃんを襲ったのが低級、さっちゃん達が捕まえた水月が中級と来たら次は上級なんやろうけど無理やろうからな。そこまでやられてしもたら七神の面子がないわ。まあもし中級を量産されても消し炭にしたるけどな」
「母さんが出てくる時点でなかなかの問題な件について」
「……たまには思っきりやりたいんや!さっちゃんの相手と魔術協会の偏屈ばっかり相手で退屈なんやー!うおー!やーらーせーろー!」
「物騒な駄々こねるなよ。というかゴロゴロ転がるんじゃありません。桜さんが見てるんだから」
「うがー!うがー!」
何が悲しくて母親の駄々を見なければならんのだ。
「皆様、お茶をお持ちしました……よ」
「あっ……」
タイミング悪く台所から戻ってきた水月が鈴花のみっともない姿を目撃してお盆を持ったまま固まってしまった。
「こほん……水月、おおきにな。ほな水月も交えて話の続きにしよか」
素早く姿勢を正して何事も無かったかのように振る舞う鈴花。
水月も察して何も語ることなくお茶を配る。
自分達が来るまでの間は格好をつけていたのだろうが、こちらが素なので慣れてもらうしかない。南無。




