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第2章、始まります
とある山奥に1人の『魔法使い』が住んでいました。
『魔法使い』の周りには誰もいなくて独りぼっちでした。
ある日、『魔法使い』は独りぼっちが嫌で山を下り、町へと出かけました。
『魔法使い』は誰の目にも留まるほど綺麗な容姿でした。 何度も声をかけられたりしましたが全て断って独りでいることを選びました。
その容姿だけを見て声をかけられてると分かっていたからです。
外ではなく内を見てほしい。
『魔法使い』とはいえ思うことは人と同じ。
しかし、町に1人だけ内に気づく人物がいたのです。
『魔法使い』はその人物の元を何度も訪れ、夫婦になってほしいと懇願しました。
独りぼっちはもう嫌だと、この姿に目を眩ますことなく心から想ってくれるのは貴方しかいないのだと。
ここまで言われて断ることは出来ませんでした。
その人物は『魔法使い』と夫婦になることを決意しました。
何年かの後、2人には男の子と女の子の姉弟が生まれました。 元々不思議な力があったものですから子供にも力は引き継がれていました。
しかし、子供たちに引き継がれた力が全てを崩壊させていきました。
子供たちが大きくなって色々なことを知り、学校に通うようになった頃です。
夜な夜な子供たちが外に出かけていくことが増えました。
それと同時に町の住人は2人、3人と次々に消えていったのです。
不審に思った町の住人は夜に見回りをすることにしましたが、見回りに行った住民は帰ってくることなくいなくなってしまいました。
残された人は躍起になって消えた住民と原因を探し始めました。
しかし消えてしまった住民と同じようにいなくなったのです。
そんなことが続いたある日、たまたま住民が見かけてしまったのです。
男の子と女の子が楽しそうに人を食べていた所を。
その噂はすぐに町中に知れ渡り、子供たちは学校は疎か家の外にも出れなくなりました。
住民は子供たちを『鬼』と呼ぶようになり、両親は陰口を叩かれ、罵られ、暴言を吐かれるようになったのです。
そんな両親の姿を見た子供たちはこう思いました。
「あいつらをみんな食べてしまえばいいんだ」
そして町の住民のほとんどが食べられてしまいました。
『魔法使い』は自分の力を呪いましたが、子供たちの力を封じるためにもこの力は手放してはならないと思いました。
そんなある日、遠い国から来た同じ力を持つ人たちによってこの家族はほんのちょっと助けられました。
それは決して幸せと呼べるものではありませんでしたが、それでもいなくなってしまった人達への贖罪をするために、家族の安寧を見出すために、『魔法使い』は頑張ったのでした。




