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「はあ!?母さん!?」
ハイテンションで登場した自分の母親だった。
「睦月、どういうことだ?なんで母さんが依頼人なん……はぁ……そういうことか」
思わずため息が零れる。 母が来たということは危険度MAXどころか測定不能の域の仕事。
簡潔に言い換えれば死んでこいと言っている様なものだ。
それでも生き残っている自分を褒めてほしい。
つか誰か褒めろ。
「ん?ゆーちゃん勘違いしてへん?今回本業はオマケやで?あ、でも考え方によっては本業より大変かぁ…… ま、百聞は一見に如かずやしとりあえず会ってもらおか」
入っておいでーと呑気に扉の外で待っているであろう人物に声をかける母親。
「失礼します」
多少緊張している様だが凛とした声で返事が返ってくる。
入ってきたのは160センチよりやや高めでダークブラウンの髪をポニーテールに纏めた女性。
印象は少々男勝りな女の子といったところ……あ、睨まれた。
「ほな紹介するねー。この子は御影桜ちゃん。スリーサイズは上から7……」
「七神さん」
「そんな睨まんといてーなー。ちょっとした冗談やんかー。折角の可愛い顔が台無しやで?あれ?なんでアイアンクローされとるん?え、ちょ、冗談抜きで手を離して痛たたたたたたたたたた!」
目の前の光景にどう反応すればいいのだろうか。 助けを求めるべく睦月に視線を向けるが、奴は既に姿を消していた。
逃げ足の早い薄情者だった。
わちゃわちゃ大好き