22
ましろ協力の元、御影さんへの罰を終えたので話を本筋に戻そう。なお当人は部屋の隅で血涙を流す勢いでこちらを凝視している。早々にましろを帰したことを根に持っているようだが気にしないでおこう。
「蓮条、協力してくれるということでいいんだな?」
「飛鳥さんから祐介困っているって聞いたから……いい取引だった……」
ちょっと待てと言いたいが、ここで突っ込んでしまっては先の二の舞なのでぐっと我慢する。きっと碌なことじゃない。視線で話を促すことにする。
「こほん……そもそも近寄らせない、撃退するって考えが間違ってる……寄ってくるのを減らしてもまた来るだけ……さっきみたいに視えなくするのが正解……視えないものには反応のしようがない……七神家の力任せなところに祐介染まりすぎ…… だから隠形が十八番の私が力を貸してあげる……」
言わんとしていることは理解した。だが日常生活でも見えなくなるのは問題になると思うがその辺りはどうするつもりなのか。
「夜しか反応しないのだから夜だけ使えばいい……日中は使わなければいいだけ……不都合なら何とかなるよう一緒に頑張る……祐介と初めての共同作業……一緒の部屋で……ふへへ……」
蓮条はあらぬ妄想を始めているが優秀なのは否めない。こいつのお陰で解決の糸口は掴んだも同然。試行錯誤して何とか形にしよう。
――――――
それから更に二週間が経過。蓮条から隠形の指導を受けて自分なりのアレンジに成功する。七神家の『刻呪』と掛け合わせることで形に出来たのだ。
原理としてはこうだ。対象に呪いを刻み付ける秘術である『刻呪』を本来致死性であるところから無害なものに転換。絶妙なバランスで組まれていた術式を組み替えるのは大変苦労した。殺意しかそこにはなく、暴走などしてこちらに降り掛かっては元も子もないので命懸けであった。何度冷や汗をかいたことか。実験には寄ってくる霊を使ったので色々な条約には抵触していない。コンプライアンスは大切なのだ。
転換に成功した後は隠形を概念化して術式とし、『視えないけど見える』のギリギリに調整。そしてようやく完成となった。
夜、御影さんへ使用してみたところ効果は上々。
連日溢れんばかりに寄ってきていた浮遊霊は嘘のように姿を見せなくなった。
更新間に合った……_( ´ ω `_)⌒)_




