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ここからが自分にとって本当のスタートです。
今まで書いていたもののストックが尽きたのです…orz
得体の知れない謎の老人が消え、二人の間には緊張感だけが残った。
あの母が隠して通してきたことをさも当然に話して去ったあの老人は一体何者なのか。
「祐君、追えそう?」
皐月さんが行方を追えるかと聞いてくるが全く視る事が出来ない。
まるで最初からその存在が無かったかの如く魔力の跡がない。
首を横に振り問いかけを否定する。
まんまと後ろを取られた事に腹を立てているのだろう、苛立っているのが感じられる。若干怖い。
もう直接母に尋ねてみるのが早いだろう。
明日の昼間にでも連絡してみることにして、ここら一体を元に戻す事にしよう。
「皐月さん、手伝うので結界を「ああもう!ムカつく!!」
ズドンッと鳴る地響きに体が思わず竦む。
相当キテいるようで全身から魔力が迸っておられる。
基本何でも出来てしまうこの人に何もさせなかったのだ。
自尊心に傷がついて当然だろう。
ワナワナと震えているが、そこは大人の女性だ。
すぐに切り替えてくれる。
「ふう……残った仕事を片付けましょうか」
青い魔法陣が皐月さんの足元に現れ、次第に大きくなっていく。
結界の範囲内にまで広がった所で止まり、パンッと心地よい音を響かせ柏手を打つ。
更地だった場所に何事も無かったかのように民家が立ち並ぶ。
逆再生ではなく画面が切り替わるように一瞬で。
「はい、終わり!解散!」
七神家の秘術が一つ、『ご都合主義上等結界』
正式名称は『夢幻結界』であるのだが、先祖代々改良に改良を重ね、今の形になり受け継がれてきたもの。
改名は母である。小っ恥ずかしいとか何とか。
悪鬼悪霊を閉じ込め、現実世界には影響させないよう幻の世界に固定する。
発動は一瞬で範囲は魔力量に比例。
補助となる楔を打ち込んでおけば消費魔力は激減。
この街はあちこちに楔が仕込んであるので発動さえしてしまえば何でもアリの空間に早変わり。
敵の気配を捕捉後はテキトーに範囲指定して気づかれぬままようこそ仮初の世界へ。
後はドンパチやってもオールオッケー、殺意と理不尽の塊を詰め込んだ一品である。
敵からすれば恐怖でしかないが弱点もある。
発動した術者が意識を失えば結界は消えてしまう点と使える人間が七神家で修行した者のみという点、そして発動前に起こった現象は戻せない点だ。
無情だが死者は戻らないのである。




