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遊園地で起きた話  作者: 華川 奏
ウワサ2 ジェットコースター
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ジェットコースター・出発

『ようこそ。世界最大級のジェットコースターへ!これからこのアトラクションの説明をいたします。

まずはじめに、乗車していただきましたら、安全バーをお下げください。シートベルトも忘れずに。

シートベルトの着用が確認でき次第出発いたします。出発いたしましたら一度、黄泉よみの国へ向かわせていただきます。そこでは様々な誘惑がございますが、決して声を出さないようお願い申し上げます。もし声を上げてしまいますと、その時点でゲームオーバと判断いたします』

 ジェットコースターに乗って少しした頃、この放送が流れた。聞いたミクは、後悔をしていた。黄泉の国がどこかはわからないが、誘惑に負けず、声を我慢できるはずがない。そして、ミクは絶叫マシーンが大の苦手なのだ。嬉々としてジェットコースターに乗ろうとする人の気持ちも、並んでまで乗りたいという人たちの気持ちもわからなかった。

「嘘でしょ・・・ジェットコースターなんて、私乗れる気がしないんだけど」

『ミク、俺、カイト。無理、なら、帰る、できる』

『ねぇ、ほんとにカイトはどうしてあそこまで入れ込んでるの?拾い食いでもした?』

『わからないわ~アタシは口出しできないし、カイトがミクちゃんの担当になってからああだから・・・』

 グレイが横やりを入れるが、ミクはグレイのことを知らないので、頭に“?”を浮かべて首をかしげていた。

『グレイ、自己紹介』

『ほんとに何か食った?・・・コホン。え~初めまして。ワタシはグレイっていいます。今は誰も担当してないから、情報を集め回ってるよ~。カイトがここまで入れ込んでるプレイヤーには興味があるから、仲良くしてね~』

 グレイの口からでたプレイヤーという言葉の意味を考えているうちに、ジェットコースターが動き出してしまった。

『あ・・・ごめんね~間違って出発のボタン押しちゃった~』

『・・・』

『怖いね~ただ単に間違えただけじゃないか』

 そんな会話が聞えて来る間にもジェットコースターはどんどん進んでいく。

『これより、皆様を黄泉の国へとご案内いたします。決して、声を出さないよう重ねてお願い申し上げます』

 黄泉の国へと進みながら、ミクは考えていた。どうすれば、生きて帰れるだろうかと・・・。

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