ジェットコースター・待ち時間
ジェットコースターに辿り着いたミクは、かなり動揺していた。
錆びたレールは、少しでも力を加えたら落下しそうなほど。
「こんなのに乗るなんて・・・」
そう言いながらも、足は確実にジェットコースターへ向いていた。
_調整室_
ミクがジェットコースターへ向かっているころ、この部屋にはカイトとミナカの二人がいた。
「頑張れ」
「あら?珍しいわね。カイトがプレイヤーの心配なんて」
「今の、正直、気持ち」
「ふ~モナカ、カイト~今戻ったよ~」
どこから出てきたのか、大量の書類と飲み物を抱えた少女が一人いた。
「あらお帰り。グレイ。どうだった?今回のプレイヤー達は」
「そうねぇ・・・ほとんどが最初のイベント前にリタイア。もちろん入り口へ引き返したわよ」
「グレイ、時々、怖い」
「失礼ね。私からすれば、カイトの方が怖いわよ。この〝遊び(ゲーム)”に負けた人は容赦なく始末する。それに、子どもたちをここに縛り付けているのも貴方でしょ?」
「それが、今回は違うみたい。聞いてよ~カイトったら、新しく来たプレイヤーにアタシの性別ばらしたのよ!ほんっとに、デリカシーがないんだから!」
「そんなことはどうでもいいわ。私が気になったのは、カイトが気に入ったプレイヤーのことよ」
そういって、グレイという少女は、手に持っていた書類を広げた。
「ミナトガワ ミク。今年高校一年生になったばかりの女の子。勉強も運動能力もすべて平均。
彼女の願いは、あの子を助ける・・・ねぇ。かわいそうに。あの子は彼女が殺したのに」
「ミク、殺し、出来ない。度胸、ない」
ミクをかばうような発言に、ミナカとグレイは驚いて目を丸くした。
「ねぇ、カイトは変なものでも食べたの?」
「し~。ばれたら彼に怒られるわよ」
グレイは独り言のつもりだったが、ミナカには聞こえたらしい。ちなみに、今ここにはいないが、彼というのはここの最高権力者のことである。
「ここのおきて、けんか、暴力、強奪、ダメ。絶対」
「聞こえてたのね」
「破ったら、あそこ、入る。いや」
「それもそうね」
「あ、進んだみたいね。わたしも一緒に見るわ」