オープニング
ギィ・・・
不気味な音を立てて、入り口へと入っていった。
「うぅ・・・早くあの子を見つけて帰ろう。そしてまた一緒に学校に・・・」
ガタン
「ひっ」
『ギギギギ・・・よう・・・こそ・・・裏野ドリームランド・・・へ
軽く・・・ルール、説明』
放送から聞こえてくる男の声。ゆっくりすぎて、なんて言っているのか聞きにくい。
何とか聞き取った内容をまとめると、指定されるアトラクションに乗って、様々なイベントを回収するだけ。一つ回収するごとに、居なくなった子のうち一人が戻ってくる。そういう内容だった。
『でも、途中で失敗したら、君もこっち側に来てもらうから、覚悟するように』
また別の人の声が聞こえた。何人いるんだろう?
そんな軽い疑問を持ったが、スルーした。
『それで、参加、する?今なら、帰る、できる』
『ちなみに、全部回収できたら、君の願いを一つだけ叶えてあ・げ・る』
語尾にハートが付きそうな勢いだったが、願いを一つ叶えてくれるという。
「そんなの、参加するしかない、ですよね。だったら、参加します」
『そういうと思ったわ~じゃ、そこのパスポートに名前と願い事を書いてね』
どこから出てきたのか、後ろにある台にカードが一枚だけ置いてあった。そこに〝ミナトガワ ミク”と書いて、願い事をかいた。
『じゃあ、あなたの名前も知ったし、ここで自己紹介をしましょう~』
まずはアタシから!そういって、勝手に自己紹介が始まった。
『アタシはモナカ。女よ』
『ミナカ、嘘、ダメ。男。俺、カイト。男』
『なによ!体は男でも、心は乙女なのよ』
モナカは男であるのをばらされて、ずっとカイトに突っかかっている。
『他、今いない。担当、俺になった。よろしく』
「あ、うん。よろしく」
ここにいるのは、一人に対して、担当が一人つくようだ。その時点で他にも人がいることに気づいたミクは、合流するのが最善だと考えていた。
『それじゃあ、一つ目。ジェット、コースター』
ジェットコースターの場所はここから一番近かった。
そして、なぜか他のアトラクションの場所が記されていなかった。
『それ、進めると、うまる。頑張って』
そこまで言って、放送は終了した。