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世界は再び魔王によって滅ぼされる  作者: 桐生 深夜
一章 滅びゆく世界
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5話 魔王の行動

時は少し遡り、爆発が起きた直後の浅草。


「ぐはっ!」


自衛隊の1人が口から血を吐き、倒れ絶命した。周りには数十人の自衛隊員の死体が転がっている。

そして、その中心に血に塗れた剣を持つ男がいた。その男は見るからに自衛隊員ではない。


「貴様!何をやっている!」


部隊長は剣を持つ男に言った。


「俺は魔王。この世界を制する者」


魔王は殺気が込めた眼差しで部隊長を睨んだ。


「魔王…ウソだろ…あの話はおとぎ話じゃなかったのかよ…」


「ほう。おとぎ話とはな。面白い。なら、おとぎ話程度でも俺の力は知っているな…」


すると部隊長は震えた。


「ま、魔法…」


「漆黒の槍よ。肉を引き裂け。デス・スピア!」


魔王は詠唱し、槍を魔法で作った。そしてその槍を部隊長をめがけ飛ばした。

槍は部隊長を貫いた。部隊長は崩れるように倒れた。


廃墟化とした浅草。すでに生き残った者はいない。全て魔王に殺されたのだから…


「さて、次はどこに行こうか…」


魔王は血に塗れた剣を鞘に収め、ゆっくりと歩き出した。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



同時刻、六本木。


「魔王様がついに目覚めたか…」


「ええ。では、我々も行動するとしましょうかね」


六本木ヒルズの中。見た目は普通の人間の男女がいた。


「我が血に従え。大地の炎よ…」


男が詠唱する。女は無言で自分の指を噛み切り、傷口から出た血で魔法陣を書き始める。


「我々を導きたまえ…」


最後の一句を詠唱したのと同時に、女は魔法陣を書き終えた。そして…


「「ルーア・ゴア!」」


2人は同時に叫んだ。すると魔法陣が光りだし、炎の柱が現れた。

炎の柱は六本木ヒルズを飲み込み、街全体を燃やしていく。


「魔王様の復活の祝いだ」


男は言った。


「綺麗な花火」


女は言った。


この日一瞬にして、六本木は炎の海になった。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



同時刻、大阪・道頓堀。


「あー…久々の人間の肉…」


女は人間を食べている。女の周りにあるのは人間の骨。もしくは死体のみだ。生きている者など1人もいない。


「魔王様…私は生きてますよ」


口についた血を拭いながら1人、つぶやいている。


「居たぞ!狂気女!」


警察の部隊が女のところへと駆けつけた。


「また、ご飯が来た!」


女は警察に襲いかかった。


肉を引き裂き、頭をかち割り、手足をもぎ、心臓をえぐり、次々と殺していく。


女は自分についた血を舐めた。


「ああ…美味しい…」



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



東京、大阪を始め、このような事件は日本各地で起きた。魔王が目覚めたのと同時にだ。

そう、日本は魔王たちによって滅亡寸前となっていた。

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