プロローグ
本作品が初投稿となります。
四月一日 生と申します。
今後ともよろしくお願い致します。
なお、予め申し上げておきますと、この作品は差別的な表現を多分に含むものであり、それ故、皆様方の御気分を著しく害してしまう恐れがございます。
万が一閲覧時に不快感を感じられた際は、決して御無理をなさらずすぐさまこのページをお閉じになってください。
・12/29、一部訂正しました。
所詮、『平和な世界』などというものは単なる理想にしか過ぎない。
-2083年・4月-
昨日までの曇り空が、嘘のような快晴。
道端に等間隔に植えられた街路樹の青葉の、その鮮やかさに春らしさが窺える大通り。
久々の穏やかな陽気に、行き交う人々の波も心なしか和やかな空気をまとっているように思えた。
「……にしても、今日はほんとに暖かいね」
と、不意に、隣を歩く彼女が口を開く。
つられてそちらに顔を向けると、彼女は小さく微笑んだ。
その細い首に嵌められた黒い『首輪』が、陽の光を受けて鈍く輝く。
「何だか、やっと春本番って感じがする。……四月ももう、半ばなのにね」
彼女の言葉に苦笑し、俺はまた空を見上げる。
どこまでも澄んだ青色が、目に眩しい。
遠く、市の中心一帯に競い合うように並び建つ超高層ビルの群れが、ここからでもよく見えた。
御閲覧頂き、誠にありがとうございました。 次話の更新は、近日中にも行いたいと思います。
もしもよろしければ、またお目に掛けていただけると幸いです。