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半妖師〈ハンヨウジ〉  作者: 神暁翼
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認める勇気

〈第6章 認める勇気〉


春が終わり、女の敵の季節の一つ梅雨になりました。

女子達はみんな髪がボサボサで困る!!と言ってます。

私、霜月小雪もその一人

「あぁ!前髪が!!」

私の前髪がピョンッとはねているのだ。

それを治そうと頑張っていると友達の麻生香奈ちゃんが近づいてくる。

そして髪を治してくれる。


「あ、ありがとう!

香奈ちゃん!」


「いいのいいの♪

てか小雪ちゃん癖ッ毛だね~こりゃ梅雨は辛そうだ」


「そうなんだよねー」


と会話してるとふと大輝君の方を向く。

そこには大輝君、泉君、そしてこの人は新しい先生。

烏間孝先生だ。

〈からすまたかし〉

ちなみに言おう。

この烏間先生は私を誘拐した妖怪、烏天狗だ。

なぜ、烏天狗がここにいるか、ちょっと説明しましょう。


時は遡ること数日!

その時だが泉君の退院パーティーをしていた。

私、大輝君、私のお母さん、そして泉君。

この四人でね。

そしたらピーンポーンとチャイムが鳴った。

「私が出るわねー」とお母さんが玄関に向かっていった。

数秒後。

バタン!と何かが倒れる音がした。

そう、お母さんが倒れたのだ。

そしてリビングに戻ってきたのは、黒いマントを被った男だった!!

「なにッ!」

大輝君と泉君は私を庇うように前に立ち戦闘体制につく!

すると黒いマントの男がマントに着いているフードを脱ぐ。

そして顔が現れる。

その顔には見覚えがあった。

だってその顔は鳥なのだから。

黒い羽をもつ鳥。

一般的に言う烏。

こいつの名は烏天狗。

私を誘拐したあのぬらりひょん一派の生き残りだ。

その烏天狗が私達に何の用なのか。

まさか!また私を!!

その発想を前の二人も思ったのか額には少し汗が。

すると烏天狗はその鋭い嘴を開く。 〈くちばし〉 


「久しいな。茨木大輝」


「今更、俺に!俺達に!

なんの用だ!烏天狗!」


鋭い殺気がぶつかり合う。

目では見えないが肌では感じた。

ヒンヤリとする空気。

数秒間、それが続き、そして烏天狗が言う。 


「いや、ぬらりひょん様ができなかった茨木大輝暗殺をこの烏天狗がやり遂げようと思ってな!」

ぐう!と烏天狗は距離を詰めてくる!

「ひぃ!」

思わず小さく悲鳴する私。

例え今回の狙いの的が自分でないが怖いものは怖いのだ。

大輝君は険しい顔をしている。

どうやら彼は私の倍怖いようだ。

だって奴の能力は何なのかここにいるみんなわからないのだから。

ちなみに泉君は私と同じような恐怖だと思う。

すると大輝君が前に進んでいき烏天狗との距離を詰めていく!

そして烏天狗と大輝君はいい間合いにつく。

そしてぶつかり合う!!と思いきや、烏天狗が笑う。


「ふははは!!

やはり貴様は面白い!

お前の下に就こう!!

茨木大輝!!!」


???と三人はポカーンとしていた。

私が言う

 

「どうゆこと?」


烏天狗が言う。


「だから!

大輝の手下になろうと言うことだ!!」


「だからなぜ?」と泉君


「だから!!!

俺は妖怪業界から追放されたの!!

だからいく場所もないから大輝の手下になろうとおもったんだよ!!」


ポカーンとしている大輝君。

そんな大輝君に泉君が言う。


「おい!大輝!どうゆうことだ!!ゴラ!!」


「訳が・・・わからない」


大輝君の精神力が下がっていく!!

ほら!!真っ白になっていくよ!!


「な、なにがあったんだ!

大輝の体が真っ白になっているぞ!!」

と鳥頭が言う。


「あんたのせいだよ!!

あんたがいきなりあんな事を言うから!!」と私。


「え!!なんでよー!」


烏天狗は大輝君の肩を掴みブンブン振り回す。


「おい!!大輝!! 

いいよな!?

仲間になってもいいよな!」


更にその振り回しを激しくする烏天狗。


「うわーうわーー!!」

大輝君!

酔ってらっしゃる!

さっきまで顔は真っ白だった。

でも今は真っ青でらっしゃる!!

そんなのお構いなしに振り回す烏天狗。


「ね!!いいだろ!!

お前に仲間が増えるんだぞ!!

ねぇ!いいだろ!!!!」


以外とわがままな烏天狗。

すると酔った勢いか、もしくはいい加減なのか、大輝君は


「わかっ..た. ..」

と言う。

すると烏天狗は

「よっしゃ!!!」

と喜ぶ。


とこんな感じで烏天狗は仲間となったのだ。

ま、仲良くしてるしいいと思う。

あとお母さんは軽い催眠術をかけられていただけなので烏天狗が去った数秒後起き上がっていた。

大輝君はその後ノックアウトしていた。

え?なんで烏天狗が教師をしているかって?

私にもそこはわからない。

多分、妖力でも使って入ってきたのだろう。

そんでもってここ数日は平和に暮らしています。

大輝君とも仲直りしたしね。

ま、付き合えていないのは残念だけど。

私、いつからこんなに大輝君を好きになっちゃったんだろうなー 

ま、考えててもしょうがないか。

と、思っているとバチンと頭を叩かれる!

「いったい!

なにするのよ!」

叩いたのは香奈ちゃんだった!  


「だってー!!色気のある目で大輝君の事見てたんだもん!!」

 

「色気のあるって!

私はそんな目では大輝君を見てません!」


「見てたもん!!」


「見てない!」


「見てた!!!」


「見てないぃ!!」


「見てたぁぁぁ!!!」


「見てないぃぃぃぃぃ!」


とこんな掛け合いをしていた。


すると大輝君達がこっちを見ていた。



「なぁ、茨木、あいつら大丈夫かな?」


「さぁな」


烏間先生が腕時計をみて

「おっといけねぇ!

授業の時間だ!!

お前ら!席ついてろよー!」と言った。

あ、みんなに言ってなかったね。

烏間先生はちゃんと人間の体で顔だから安心して。

変身であろう。

ちなみにイケメンだ。

ガラガラガラと教室に教師が入ってくる。

さて授業だ。

 

******


んーここの問題はー

こーしてこーするから

答えは!!

8だ!!

『ちげぇよ、9だ』

あ?8に決まってるだろ?

『いや、9だ』

とこんな感じでいつも数学の時間はもう一人の心のそこで言い争っている。

どうもみなさん。

茨木大輝です。

今は授業中、数学です。

俺ははっきりいってこの数学はとても苦手だ。

公式とかなんとか意味がわからない、もう一人の俺はここを異数分解するからとか言うけど意味がわからない。

『つまりお前は学習不足なんだって事だ』

と言ってくる。

ったくムカツクぜ。

そうこうしているうちに先生が解説をする。

「ここをこーするから答えは!!!9です!!」

その答えを聞いてもう一人の俺はいう。

『ほらな、9だ』

くぅ!!

ムカツク!!!

奴は鼻で笑う。 

マジで腹立つぜ!!

こんな感じで一時間経つ。

そして昼休みとなる。

『はぁ、腹減ったぜ相棒

なにか食おうぜー』

もう一人の俺と今の俺は考えていることは違うが肉体的疲労とか空腹とかは同じみたいだ、まぁ人格は違うと言え肉体は一緒だしな。

俺は言う。

 

ちょっと待ってろ、すぐパンとコーラ買ってくるから。


『今日はジャムパンの気分だな』


と言ってくる。

実は俺もそうだ。


あぁ、俺もその気分だよ。


俺は売店に向かう

すると途中で烏間に会う。

烏間は俺の事がわかったのかこちらに向かってくる。

そしてこう言う。


「よー大輝」


「どーも先生」


「学校は楽しんでるか?」


「は、はい」  


「そっか。結構結構 

はっはっはっ」



こいつ

めんどくさい!!

はぁ?こいつこんなにめんどくさい奴だっけ??

この前まで敵対してたからわからないけど

こいつこんなハッチャけた

性格だったなのか?

その性格のせいか女子生徒には人気だがな

その証拠にこちらに女子達がきてこう叫ぶ。


「「「せんせーい!」」」


「なんだよー

またお前達か」


「だってー私達先生の事がー・・・・」

一人の女子の唇に人差し指をつける烏間

そして

「おっとそれ以上は犯罪になるから言うな。

俺もお前達と一緒の感情だぜ♪」

とハニカミながら言った。

すると女子達は黄色の歓声

をあげる。

ふ、こんなナルシストのどこがいいんだか。


「悪いなーモテモテなもんで♪」


と烏間は言ってくる。

嫌味にしか聞こえない

早くここから抜け出したい!

よし!適当な言葉でこの場を抜け出そう!!


「いえいえ、あ、そろそろパンが売り切れちゃうから

行きますね」


俺は歩きだす。

だが肩をグゥっと掴まれる


「まぁ待てよー

俺も一緒に食うよー」


めんどくさい!!!!!

マジでこいつめんどくさい!! 

よし!また適当な言葉で!


「あ、あのー

昼飯は一人で食うんで

遠慮します」


それを聞いた烏間は少し悲しげに言う。


「そっか。

んじゃあ放課後俺の所に来てくれ」

あい?

いきなりのことでびっくりする俺

俺は問う


「なぜですか?」


烏間は笑いながら言う。


「特別授業だ」




午後授業が終わり

俺は、烏間の元に行った。


「お、来たか」

奴は窓際で煙草を吸いながら言う。

烏間の顔が夕焼けでオレンジに光り綺麗に見える。


「いきなり呼び出してなんだよ」

俺の問いにフゥーと煙を吐くそして答える。


「いやな、お前は強い妖力を持っている。

だが使えこなせていない」


妖力?

泉の渇みたいなやつか?


「なにが言いたい?」


「だから教えてやるって言ってるんだ」


「使い方をか?」


「それ以外になにがあるんだ?」


「別にいいよ

俺には柊があるから」


「そんなんじゃ、小雪ちゃん守られないぞ」


その言葉にドクンとくる。

けして柊の力をバカにしているのではないのはわかる

だが 


「この力には頼らない

そう決めているんだ!!」


それを聞いた烏間は顔を暗くする。

だが俺はお構いなしに言う! 


「この前は使ってしまったが これから力をつけて

こんな憎き力を使わなくてもいいようにする!!

小雪ちゃんを守ってみせると思ったんだ!!」 


烏間は言う。


「ほう、憎き力をねー

その憎き力は常に使っていることは知らないのか?」


なに!!

さらに烏間は言う。


「その喰刀 柊

それは妖怪のお前の能力の一つだ」

 

「え!」


「え!じゃねーよ

柊、自体は妖怪の力じゃない

だがコピーは違う」


そんなわけない!

あれは柊の能力の一つだったはず!!

煙草を吸いながら烏間は俺の心を読み言う。


「お前は今自分に嘘をついているな。

認めないといけない時もある。

それはとても必要なんだよ

大輝」


「嘘なんて!

嘘なんてついてない!!

俺は!俺は!!」


「動揺してるぞ」


俺は近くのロッカーを殴り怒りを出して言う!!


「動揺なんてしてない!!

そんな嘘!俺は認めない!

絶対にだ!!」


俺はそのままその場を後にする。


******  


夜ご飯の時

大輝君の様子がおかしかった。

だって食べていないのだ。

ずっと険しい顔をしているんだ。

お母さんが言う。


「大輝君?

大丈夫?どこか痛いの?」


大輝君が言う。

 

「いえ、なんでもございません」


変な敬語を使う大輝君

ホントなにか変だ。

異変は夕方からだ

一緒に帰ってきてる時からだ。

彼の目は朝と全然違っていた。

朝は輝いていた。

でも、今は死んだ魚のように暗くそして沈んでいる。

彼はなにか考えている。

迷っている。

なぜわかるかって?

私にもわからない。

でもそう感じるのだ。

すると、大輝君が立ち上がる。

そしてリビングを出ようとする。

私は引き止める。


「大輝、どこいくの?」


大輝君は言う。


「ちょっと外にさ。

風を浴びたいんだ。

心配させてゴメン」


大輝君はリビングを出ていった。

その後大輝君は2時間帰ってこなかった。

帰ってきたときには傷だらけであった。

なにが起きたんだろう?

そして大輝君の悩みってなんだろう。

私は自分の力の無ささを恨んだ。

だが帰ってきた大輝君の目は何か決心をした目ではあった。


*******


俺は家を出た。

一人になりたかった。

だが一人にはなれない

妖怪の俺と柊がいる。

『悪いな、お前と俺は一心同体。

常にいるし、心も繋がっている』


「そんな事わかっている」


わかっているさ

俺はこいつでこいつは俺ってことは。

だがあの悲劇の事でどうしてもこいつを恨んでしまう。 憎いと思ってしまう

今、俺は何をすればいいかわからない。

いや、わかっているんだが実行できないのだ。

こいつを認める。

自分と認める事ができないんだ。

このコピーの力もそうだ。

柊の力ではない。

こいつの力なんだ。

俺の力なんだ。

でも認められない!!

こんなチートじみた技が俺にあっていいのか!?

こんな人殺しにあっていいのか?

もし、烏間の言う通りコピーも含む茨木童子の力を使いこなせたらこれから襲ってくる敵にもそれほどの苦労はしないだろう。

だが、またあのように暴走したら!

今度は何を失う!

そんなの決まってる。

友達だ。家族だ。

そう、小雪ちゃん達だ。

また自分が人を殺すのか!? 考えたくない!!

そんな自分なんて認められない!!

俺はもう、妖怪の力は借りない!そう決めてきた。

だがもう、そんな決まり事なんて無駄な戦いが始まってきたんだ。

この前なんてぬらりひょんにボコボコにされた。

そろそろ決心するときなんだろう。  

この力を認めるという決心を。

だができないのだ。 

俺は途方に歩き続ける。

歩き続ければ答えがあるかもとか思いながら。

するとドンと人とぶつかる


「すみません」

と謝りその場を去ろうとした。

だが俺は吹き飛ばされる。

ぶつかってしまったのは人間ではない。

妖怪 赤鬼であった。

赤鬼は言う。


「ふらふら歩いてるからぶつかったんだろ?

そして謝ったら許されるとでもおもったのか?このマヌケ!!!

この赤鬼様のパンツに埃をつけるとはな!

それ相当の痛みは味わってもらうぜぇ!」


痛み、痛みね。

なんか懐かしい感じがした。

小学生の頃虐めっ子にボコボコにされる日々を思い出す。

その後俺はボコボコやられる。

顔を殴られ、腹を殴られ、

肘で鼻の骨を砕かれ、 倒れたら頭や腹を踏まれたり、蹴られたり。

だが痛いとは思わなかった。

わかったのだ。

自分の弱さが。

だから俺は思った。

俺は、この力無しじゃ生きていけないんだ。

この力は必要不可欠なんだと。


「これで!どうだ!!」


「ぐっ!!」


俺は顔面を殴られ、地面に叩きつけられる。

もちろん血まみれだ。

だがこんな怪我数分もあれば治る。


「ケッ!今日のところはこのくらいにしてやるぜ。

また会って、また汚したら

次は命がないと思えよ」 


赤鬼は去っていく。

数分は立ち上がれなかった

ここでなぜ柊で戦わないのと思った人もいるだろう。理由は簡単だ。

自分の弱さを知りたかった。

自分の愚かさを知りたかった。

そして今わかったのだ。

俺は今の力じゃ、何もできない。自分の隠れているモノを成長させなくてはいけないんだって。

心の奥から妖怪の俺が話しかけてくる。

  

『お前は弱い。

だが愚か者ではない。

あんな事件を起こした力を今、認めたんだ。

お前には勇気がある。

それはわかる。

なぜってお前は俺、俺はお前、これは崩したくとも崩せない真実。

お前はそれを認めたんだ。

認めてくれたんだ。

だから言う、ありがとう』


’’僕’’は笑う。


「御礼なんていらないよ。

今まで恨んでたりしてごめんね。

僕はこれから君と戦う。

だからこれからよろしくね」


『あぁ、よろしく』

 

こうして僕達は、互いに認めあい、互いに同じ者を護ると誓った。

 

******


翌日、僕、茨木大輝は

放課後に烏間の元へ向かった。


「来たか、大輝

決心はついたか?

いやもうついたな。

だって、顔が違う」


「あぁ、決めたよ。

お前の修行を受ける」


「よし、いいだろ。

だが大輝。

お前は再来週のテストは大丈夫なのか?」


「え?」 



「え?じゃねーよ

再来週は期末試験だ。

赤点とるなよー」


「な、なんだとー!!」


その日から僕の勉強期間がまた訪れたのだ。


第6章完!!


どうもみんさんおはこんばんわ!

最近洋画にハマっている神暁翼です!

色々と洋画とかみてストーリーの勉強してますw

さて6 章ですが新たなストーリーの始まりみたいな感じで始めました!

修行編とこの前に書きましたが今回と次回で二話という設定します!!

6章はとても深い話にしてみました!

楽しんでくれましたか?

月的には6月ですね。

さて次回は修行編後半であり新敵も登場させます! 

ぜひともお楽しみに!

できれば来週中に投稿します!

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