轟く雷鳴 中編
あんなメールを見せられて飛び出さない男はいねぇ!
例え彼女でなくても大切な者の命が危険となれば!
誰だって!!
俺は陰陽師に電話をしながら走る。
内容はぬらりひょんを倒してもいいか許可をとるための電話だ。
許可はとれたそしてやつの居場所もわかった。
そして増援と来ると言う。
格闘部隊らしい。
まぁそいつとは現地集合だ。
待ってろ小雪ちゃん!
俺が助けてやるからな!
************
たく、なんでこんな時間に外出しないといけないんだよ。
俺、泉直人は、任務に向かっていた。
なんかぬらりひょんと一発殺り合うっていうから増援に行けとのことだ。
だが誘拐された女の名を聞いて黙ってもいられなかった。
霜月のやろうなんでこんな短期間にこ妖怪がらみの事件に巻き込まれるんだ?
運がいいんだか悪いんだか
とにかく町外れの廃ビルを目指そう。
ってか近所だしすぐ着くんだけどね。
俺は10分くらい歩いた。
「到着っと」
あとは相方を待つだけか、
さてどんなやつが来るのか楽しみだぜ。
さらに10分経過。
・・・
遅い、相方は何をやっているんだ!?
さらに10分経過!!
遅すぎる!
もしかして迷っているのか?
昼間のあいつでもあるまいし!
するとある一人の男子が走ってくる!
あ、あいつか?
まだ遠すぎて顔もわからんがあいつが俺の近くに来たら一発ぶっ飛ばそう!
どんどん男子が近づいきてついに顔がわかる距離まできた!
って!!
「ん!!なにぃー!」
驚きのあまり声をだしてしまった!
だっ!だって!!
近づいてくる男子って!
男子って・・・・・・
昼間のあいつじゃあないかぁぁぁぁ!!
********
俺は走っている!
カレコレ1時間!
なぜなら!!
迷ったのだ。
茨木大輝は迷ったのだ。
だって!小雪ちゃんの家から廃ビルまで結構距離があるから!!
「なぁ!柊!こっちの方角でいいんだよね?」
すると俺の左手から女の声が聞こえてくる。
『あぁ、そのはずじゃ』
急がねーと!小雪ちゃんの命が!!
でも
「その前にコーラ飲んでスタミナ回復」
「ぷはー!
んじゃあ!決戦しに行くか!」
その後俺は少し迷ったのだがなんとか目的地に着いたのであった。
*******
「ボス、奴らが着ました」
「良かろう、決戦のゴングは鳴り響いた!」
「わしらの力を見せつけてやるぞ!!」
*******
なんとか着いた~
ビルの付近に誰かがいる。
あ!あれが増援だな!
てかどっかに見たことあるような!
相手方が俺に気づく。
「ん!!なにぃー!」
相手方がなんか驚いている。
てか俺は相手方の声で思い出した。
昼間のあの親切な奇抜ヘアーの人だ!
てかあの人陰陽師だったんだ!
本日二回目の対面。
最初に話しかけてきたのは
相手方のほうだった。
「お、お前!陰陽師だったのか!?
ってか遅すぎる!!
もし人質が殺されたらどうするんだ!」
俺は半笑いで言う。
「悪い。道に迷っちゃって・・・・」
すると相手方が俺の胸ぐらを掴む。
そして怒鳴る。
「てめぇーのせいで仕事がはいったんだぞ!!
しかも今回の人質は俺の友達なんだぞ!!!
殺されたらどう責任を取ってくれるんだぁ?
あぁん!!」
友達。小雪ちゃんの友達。
小雪ちゃんをここまで心配してくれているなんて・・・
なんか羨ましいな。
俺は謝る。
「悪い・・・・
俺が本当にマヌケだからこうなったんだ!本当に申し訳ない」
胸ぐらを離して相手方は言う。
「いや、こっちもやりすぎた。悪い・・・・
俺の名前は泉直人。よろしくな」
いきなりの自己紹介でびっくりはしたが俺もする。
「俺は茨木大輝。
よろしく」
お互いにわかりあったところで泉が言う。
「そろそろこの廃ビルに入るつもりだが問題はあるか?」
「いんや。ない。
作戦は戦いながら考える!」
拳を打ち付け気合いをいれる泉。
俺も左手から柊を抜き戦闘体制に。
よろしくな柊。
『おう!まかしておれ!』
元気でなによりだ。
俺は言う!
「よし!んじゃあ!!行くか!」
すると泉は
「おう!!」と逞しく言う。
ついに始まる!
激戦が!
*****
俺達はビルの中に入った。
ビルの中はとてもごちゃごちゃしていた。
道という道がないなんだこれは?
泉が瓦礫をどけながら奥に進もうとする。
だがまた瓦礫が落ちてきてしまい奥に行けない!
なんてことだ。
「どうする。天井でもぶち壊してどっか梯子になりそうなもの探して登るしか思い付かないんだが」
と泉。
しかし拒否する。
「いや、それはまだ早い」
「んじゃあどうすんだよ!
他に策でもあんのか?」
その質問にも俺はNOと言う。
「いやない」
「んじゃあ何があるんだよ?」
俺は冷静に言う。
今思っていることを。
「泉、ここは敵地だ」
「んなことわかっている!」
と怒られる。
ま、しょうがないことか。
「まぁ聞けって、俺が言いたいことはな。
ここは敵地なんだ、だからもう敵の攻撃を受けていると思ってるんだ」
「なにぃ!どこにいるんだ!!」
キョロキョロと回りを見る泉。
「だから落ち着け。
敵の攻撃ならもう見えている」
「?どうゆうことだ?
見えてる?どこにさ?」
「それは風景だ。
つまりこの瓦礫とかは幻覚ってことだと俺は思っている」
「そーゆーことか!」
やっと気づいたか。
すると泉が言う。
「お前はとてつもないバカだと思っていた。だが今の考えは見事だった!全文撤回する」
「いや、俺は普段はバカだが戦闘のときは頭が回るんだ」
「なんと!羨ましいな。
俺は戦闘になると戦うことしかできない男だから!
本当に羨ましい!」
泉の意外なところだった。
っと、こんな茶番をしていると笑い声が聞こえる!!
「私の能力を見破るとはな!さすがイレギュラーってところか!」
女の声。
だが俺は気づいていた。
何か感じた。
こいつは男だと。
「女の声だ!俺は女を殴る趣味はねぇーぜぇ!」
泉の意外な優しさ。
てか優しいかこいつは。
「んじゃあこの茨木大輝が戦おう」
敵が言う。
「イレギュラー様じきじきに戦ってもらえるなんて光栄ですわ!あはん♪」
ぐっ、気持ち悪い
すると泉は言う。
「この声、ある声優さんの声に似てるな!
誰だっけぇー??」
数秒後
「あ!沢城美由紀氏だ!」
泉の意外なオタク要素
まぁいい
今はとりあえず目の前の敵をどう倒すかを考えよう。
まず奴はどう物理攻撃をしてくるかだ。
この幻覚で人とか物を造って攻撃してくるか
それとも幻覚にできるのは見せられるこの建物だけなのか。
どっちだ。
こう考えていると、一つの影が俺達の方に向かってくる。
「ん?なんだあれ」
泉が近づいていく
次の瞬間俺はわかった!
俺は叫ぶ
「泉!!
そこから離れろ!!」
その影はデカイ鼠であった。
妖怪の種類がわかった!
こいつは旧鼠だ。
〈きゅうそ〉
旧鼠は群れで動くから敵は一人じゃない!
やばい!!
泉がやられる!
だが泉まで少し距離がある!
俺は走る!全速力で!!!
もっと速く!!
もっともっと!!!
そう願うと俺はいつの間にか泉の前に立っていた!
旧鼠(雑魚)が叫ぶ!
〔グッシャァァアア!!〕
旧鼠(雑魚)はその鋭い前歯で俺の肉を噛み千切ろうとする!
だが俺は柊で防ぐ!
「ぐぅぅ!!」
意外と力が強い!
だが負けてたまるか!!
俺は旧鼠を剣(柊)で弾く!
その時だが少し頬を斬ってしまい血が流れる。
「な、なにが起きたんだ!」
泉が動揺している
俺は泉に教える。
「今俺がわかったことを言うぜ。
まず妖怪の名は旧鼠!
旧鼠は群れで動くから敵は複数、そしてやつらは強い!」
「きゅ、旧鼠か!!
ちと厄介な妖怪だ!」
「あぁ、そのこの能力をもっている奴はほかにいる! だが居場所はわからない!
辺りに注意しろ!!」
すると第二回目の攻撃が!
しかも裏表と二方向から!
目指す的は・・・・
泉だ!
俺は叫ぶ!!
「泉ぃ!!」
だがこの距離なら!
斬れる!!
俺は表の旧鼠を!
斬った!!!
だがその斬った旧鼠は幻覚であった!
つまりこの幻覚は物も造れることが、わかった。
「オラァ!!!」
泉は本物の旧鼠(雑魚)を殴り消し飛ばした!
こいつ強いぞ!
そう思っているとまた旧鼠達が!
相手は二匹から三匹へ
俺達がまた倒すが3匹のうち2匹が幻覚
その一匹を俺が斬る!
「ぐ、これじゃ体力を使うだけだ!はやくこの能力の本体を叩かないと!
こっちが殺られる!!」
あぁ泉の言う通りだだから俺はある作戦を知らせる。
「泉、二人で戦っていたら全滅がありえる!だからここからは俺一人でやる!
お前はあの瓦礫辺りで休んでてくれ!」
「ふざけるな!
こんな敵一人でどうこうできるわけねぇ!」
「俺には作戦がある!
この方法は一人でじゃないとできない!
だからやらせてくれ!!」
俺の思いが伝わったのか泉が言う。
「わかった!でももしもの時は加戦する!」
「りょーかい」
俺はニコリと笑う。
そして旧鼠に挑発する!
「おいそこのお前ら!
お前たちと戦っていてわかった!
お前達なんて俺一人で十分だッ!
さぁどこからでもいい!かかってきな!」
すると笑い声が響く。
その声は完璧男だった。
「ふははは!!
面白い!もう雑魚どもは全員殺られたからな!
この俺がじきじきにぶちのめしてやる!!」
よし!作戦完了!あとは
俺は泉の方を向く。
?と首を傾げる泉。
すると泉の裏にはマヌケなドンの影が!!!
今にも攻撃しようとしている!!
そうはさせるか!!
俺は泉の方へ走る!
!!と目を丸くする泉!!
悪いな泉、俺はお前を囮させてもらったぜ!
俺は泉の裏の壁を斬る!
すると
「ぎゃぁぁぁ!」
壁から悲鳴と血が吹き出る!!
「な!なんだこれはぁ!」
幻覚の風景が解ける。
そう、旧鼠はあの壁にいたのだ。
なぜわかったんだって?
それを今からみんなと現状がわからない泉に説明しよう。
「泉、俺はお前を囮にしていた」
「え!マジ!!」
目が真ん丸の泉氏
俺は説明を続ける。
「なぜ、お前を囮にしたかというとだな、あいつらの的はお前だったんだよ。
泉君」
「え!マジ!?」
「マジ!!」
「だからお前を一人にさせた所をラッキー♪と思って攻撃をするところを狙って斬ったということだ」
「ほーよくわかったな
攻撃するところなんて」
「なんとか影は見えたからな。
それを目で追って斬ったってことさ」
「ふむふむ、なるほど」
そんな会話をしていると
旧鼠が逃げようとする!
だが俺達が逃がすわけねーだろ!
と思っていたが上からある一人の男が現れる。
するとドンが言う。
「あ!兄貴!!
お助けぇ!!」
兄貴と言われたそいつはなにも言わず旧鼠を持ち上げる。そして
旧鼠の頭を口のなかに!
「ま、まさか!!
やめて!兄貴!!
やめ・」
ブツン!!!!
兄貴と言われたこいつは!
旧鼠の頭を噛み潰した!!
「な!味方を....」
泉が唖然としている。
その後この男は旧鼠を食べた。
バキバキ!
ボリボリ!!
ムシャムシャと
数分後俺達!いや泉にその目を!眼光を光らせる!
やはりこいつらは泉が狙いか!
俺が戦闘体制につくと泉は手で止めた。
「こいつは俺に任しな。
こんな悪党はこの拳でぶん殴らねぇーと気がすまねぇ!」
泉の眼光は赤く光っていた。
まるで灼熱の炎のように。
完璧キレているな。
「わかった。無理はするなよ」
「あぁ」
泉が一歩ずつ奴に近づく。
《グオオオオ!!》
男の雄叫び。
だが不自然であった!
まさかこの妖怪!
暴走している!!!
だがそんなのお構い無く泉は向かっていく!!
「うおおおおおお!!」
泉も叫ぶ!!
すると
また男が叫ぶ!!
すると
また泉が叫ぶ!!!
とこんな感じにある一定の距離を保ちながら叫ぶ二人。
なんだこれ!!
叫びがどっちが、すごいかの戦いなの!?
と思っていると、男がやっとこちらに向かってくる!
そんな男に向かっていく泉!!!
まさかの!一発勝負か!
泉が拳を振りかぶる!
男も振りかぶる!!
ズドン!!!
鈍い音が鳴り響く!
すると男の拳が割れる!
ブシャァァァ!
血が吹き出る!!
《ぎぃぃぃにぁぁぁ!!》
男の叫び!
だめ押しにもう一本と言わんばかりか泉はこう叫びながら男を吹き飛ばした!
「お前は理性を失ったせいで味方であるドンを殺した!!その罰をその身に受けろ!!」
その男は跡形もなく消し飛んだ。
これが格闘部隊の戦い方か
そういい思いながら俺は、
俺達は階段を登っていった。
すると泉が言う。
「さぁ、屋上に着くぞ
この上にはぬらりひょんと霜月がいる」
ぬらりひょんがいる。
ついに来るのかラスボス戦が!
そして小雪奪還ももうすぐだ!!
俺は言う。
「あぁ、いこう!」
「「最終決戦だッ!!」」
後編に続く