最後の抱擁
陰陽師本部付近の荒地にて 健翔と栖楴は琉樹亜との戦いに苦戦していた。健翔が銃弾で琉樹亜の気を引き、栖楴がその隙に近づき相手の脳天に響くようなパンチを琉樹亜の頬に当てる。だが琉樹亜は何にもなかったかのように栖楴の腹部に重い一撃を与える。栖楴は宙に浮き、勢いよく背後に吹き飛ぶ。栖楴は血を吐きながら健翔の近くに落ちてくる。健翔は言う。
「栖楴さん、大丈夫ですか??」
「あぁ・・・なぁ・・・直人はまだか?」
「ごめんなさい、栖楴さん。直人とは会えなくて・・・」
「馬鹿野郎!無線があるだろ??」
「無線?そんなもの僕は持ってないですよ!」
「ポケットの中を見ろ!」
「え?」
健翔はポケットの中を漁る。すると小型の無線機が入っていた。
「それで早く椎名を呼ぶんだ。直人と一緒のはずだ」
「これ、いつポケットに入れたんですか?」
「今だ・・・」
「どんなお笑いですか!」
「いいから、早く奴らを呼べ!」
「分かりましたよ!」
健翔はその無線機の電源を入れ、椎名に問いかける。
「椎名さん、椎名さん!健翔です。応答願います!」
すると激しい銃声と一緒に椎名の声が聞こえる。
『なんだ、こっちは取り込み中だ!』
「ごめんなさい、でもこっちもやばいんです!栖楴さんが」
『何!栖楴がやばいだと?わかったそのまま無線の電源は切るなよ!』
「あ、あと直人と一緒に来てください!」
『あぁわかった、直人!来い!119だ!救出しに行くぞ!』
そう言うと無線は切れる。健翔は栖楴に叫ぶ。
「栖楴さん!2人に連絡しました!」
「なんて言ってた!」
栖楴は琉樹亜の攻撃をうまく避けながら言った。
「もうすぐにこちらに来るらしいです」
「ならいいんだが・・・俺たちもそろそろスタミナ切れになってきたぞ」
琉樹亜はなかなか攻撃が当たらないからか怒りを表す。
「ちょこちょこと煩い虫けらめが。これでも喰らいやがれ!!」
琉樹亜は手からバランスボール級の雷の塊を作り始める。栖楴は言う。
「なんだあれは・・・こんなの喰らったら堪らないぜ。どうする健翔」
健翔は言う。
「どうするも何も自分たちには何もできないです。あんな攻撃を防げるのは大輝か直人くらいですよ!」
「絶体絶命だな・・・・」
「はい」
「諦めるか?」
「まさか、最後まで抗いますよ」
「気に入った」
健翔たちは立ち向かって行く。すると琉樹亜は笑いながら言う。
「ヤケになったか!じゃあその願いを叶えてやるよ!」
琉樹亜は雷の球を放りなげる!健翔たちは死を悟ったその時であった、謎の鬼の拳がその球は破壊し、更に琉樹亜の腕を切断し、蹴り飛ばして琉樹亜を地面に叩きつける。健翔はその鬼の顔を見て言う。
「お前は・・・土蜘蛛!!」
土蜘蛛は言う。
「よぉ・・・健翔だいぶピンチだったみたいだな、そしてあんたは・・・・」
「栖楴だ」
「栖楴か、よろしくな」
「お前、遅すぎなんだよ!!」
健翔は少し泣きながら言った。栖楴が健翔に聞く。
「おい健翔、こいつは強いのか?」
健翔は栖楴の顔を見て言う。
「はい、大輝と同じくらいの戦力です!」
「なら、少しは勝算が上がったな」
土蜘蛛は琉樹亜の妖気を感じとり叫ぶ!
「おい、お喋りはそこまでにしとけ!奴が立ち上がったぞ」
土煙の中から琉樹亜が立ち上がり、こちらを睨めつけて言う。
「おーーおーーまさかの土蜘蛛さんか〜懐かしいな・・・ちっと前ボコボコにしたのを覚えてるぞ・・・・」
「あの時は弱かった・・・だが今回は違うぞ」
「あぁ・・・それはさっきの一撃でわかった。よくぞ俺の腕を切断したな。だがその腕もこの通り回復している」
「何!?健翔!これは・・・」
「大輝の力です。奴は変な薬を服用して大輝の回復能力と雷を自由自在に操れる力を得たんです」
「そう言うことだな。なら奴は半妖ってわけだ。だから陰陽師の祓う力は効く」
「そうなんですか!」
「あぁ、だが接近して札を付着させなきゃいけない」
健翔はあることを報告する。
「今直人がこちらに向かっています、だから彼の聖なる力で倒せるのでわ?」
「いける、だがそれまでに俺だが倒されなければだが」
栖楴はその言葉に引っかかる。
「倒されなければだと?どう言うことだ?」
土蜘蛛は説明する。
「俺が予想してた以上に強くなっている、悲しいが俺たち3人で束でかかっても倒せる確率は低いだろう」
栖楴は悲しそうに言う。
「わかってた」
「だから直人が来るまでフォーメンションを組んでいくぞ、どうにかして生き残るんだ」
そんな会話をしているといきなり琉樹亜が健翔の目の前に現れる!
「もういいか・・・話が長いからよぉ〜先手を打たせてもらうぜ・・・」
「ひい!」
健翔はびっくりしてその場に腰を抜かしてしまう。琉樹亜は笑う。
「弱点がわかってしまったからにはまずはその弱点を消すまでよ、そして直人は呼ばせないぜ・・・その無線機を壊すまでよ!」
栖楴は叫ぶ。
「健翔、逃げろ!!」
「もう遅い!俺の攻撃を避けることはお前ら人間には不可能!」
琉樹亜が拳を振り上げたその時であった。土蜘蛛が彼らの間に入り言う。
「だったら妖怪の俺なら防げるよな!」
そして琉樹亜の拳を受け止める!
「ほー受け止めたか・・・やるじゃん」
「スタートだ!」
土蜘蛛は叫ぶ!
「くらえ!!鬼迅八百連舞!」
土蜘蛛の攻撃は琉樹亜に強烈な突きを高速で浴びせる。だが琉樹亜はニヤリと笑い言う。
「それだけか?」
「何・・・」
土蜘蛛は自分の拳を見る、なんと琉樹亜は土蜘蛛の攻撃を全て受け止めてていたのであった。琉樹亜は言う。
「そんな攻撃は効かないぜ・・・」
「さすがだ・・・だが、俺の攻撃はこんなもんじゃないぞ・・・」
「へぇー楽しみ!」
「なら再開するぞ・・・」
「おう、どんとこーい!!」
土蜘蛛は鋭い蹴りを入れるだが琉樹亜はあくびをする。
「こんなもん?」
「いいや・・・これもだ」
すると琉樹亜に無数の銃弾が襲う。琉樹亜は鬱陶しい虫だなという顔をする。すると琉樹亜の目に銃弾が当たる。するとその目は潰れていた。琉樹亜は怒りのあまり叫ぶ!
「健翔!てめーは許さねぇ!!」
琉樹亜は健翔に駆け寄り拳をあげる。だが栖楴が飛び蹴りをし注意を引く。
「おい、お前の敵はここにもいるんだぜ」
「うるせぇ、ハゲのおっさん」
琉樹亜は健翔をもう一度襲おうとする。栖楴は手に持っていた銃の引き金を引く。そして放たれた弾丸は琉樹亜の頭に当たる。琉樹亜は栖楴の方向を向く。
「鬱陶しいのを持ってるには健翔だけじゃないぜ」
「そんなに死にたいのか爺さん」
「まぁな」
「いいだろう!お前から始末してやる!」
そう言うと琉樹亜は栖楴を襲おうとする。だがそこに土蜘蛛が止める。
「おい、俺と遊んでくれるんじゃないのか?」
琉樹亜は言う。
「消えろ雑魚野郎!」
琉樹亜は土蜘蛛のいるであろうところを殴る。だがそこは土蜘蛛のいる場所ではなかった。
「おい、片目を失って方向感覚もなくなったのか?」
「何!」
琉樹亜はある違和感を感じた。それは撃たれた片目が治らないことであった。
「なぜだ・・・なぜ回復しない」
「流石に完璧にはパクれなかったようだな」
「片目なくったて、お前くらい屁でもねぇ!」
琉樹亜は拳で辺りを薙ぎ払う!だが土蜘蛛は避ける。そして琉樹亜の顔に拳を当てる。琉樹亜は少し退けぞる。土蜘蛛は言う。
「おい、体幹ゲージ大丈夫か?」
琉樹亜は苦虫を噛み潰したような顔をして土蜘蛛を見つめ言う。
「体幹ゲージだと?意味がわからない・・・だが、お前が俺のことをバカにしていることはわかる。だから俺も進化しなくちゃあな」
「なんだと!?お前まだ進化するとでも言うのか?」
「今言ったろ・・・もう一本あるんだよ・・・」
琉樹亜はそう言うとズボンのポケットから薬を取り出し、そして自分にその薬を打つ!
「うああああああああ!!」
琉樹亜は激痛のあまり絶叫する。そして琉樹亜の体から眩ゆい閃光を放ち始める。土蜘蛛たちはその閃光を直視できず顔を手で覆う。するとその閃光は数秒で落ち着き、琉樹亜の姿も見えるようになった。土蜘蛛たちは琉樹亜の第2の姿を見て驚愕する。その姿は身長は2メートル越え、そして鬼の様なツノ、筋肉は元の2倍に膨れ上がり、そして肌色は真っ赤になっていた。
『これが・・・俺の進化だ・・・恐れ慄けクッソたれども』
栖楴は土蜘蛛に言う。
「おい、これからどうする・・・・」
「・・・・これ程の成長をするとは計算不足であった。俺たちはここで死ぬのかもな・・・・」
*********
大輝のパラレルワールドにて・・・・
麗亜はその薬を使用し絶句する。
「きゃあああああ!!」
麗亜の体は琉樹亜の様に眩ゆい閃光を放つ。その閃光を受けた虫たちは突然次々に死んでいく。小雪たちはその閃光から目を背ける。数秒後、麗亜の姿を見た小雪たちは土蜘蛛たちと同じく驚愕する。麗亜の姿は上半身は人間、下半身は昆虫であった。小雪は呟く。
「なんて・・・醜いの・・・・」
麗亜は言う。
『力が漲るわ・・・・でもこれじゃ・・・波流斗とのコトはできないわね・・・・』
「誰もそんな姿の女とはヤリたくはないわ」
麗亜は無数の足を動かしながら小雪に近づいてくる。
『あんた・・・ヤッタことあんの?』
「ないわよ、だってまだ15だもん」
『15!?・・・・若すぎる・・・』
「えぇ、そうよオバさん」
その言葉は女性に言ってはいけない言葉である。その言葉は麗亜の逆鱗に触れてしまう。麗亜は手に持っていた短刀を振り下ろす!すると小雪の肩は斬り裂かれる。小雪の肩からは血が吹き出す。
「くっ」
小雪はあまりの痛さで少し怯む。小雪は言う。
「何をしたの!?」
その傷は激痛の上に痒みが酷い。小雪はつい掻き毟ろうとするが傷口に触れた瞬間、更なる痛みが走る。これぞ地獄である。小雪は麗亜の事を観察する。すると麗亜はこう言いながら短刀を振り下ろす。小雪は氷の壁を作りその攻撃を防ぐ。すると氷の
壁は麗亜の攻撃で壊れる。するとその氷の破片からは何かを焼いているような音が聞こえる。その時小雪はわかった。これは亜空間攻撃のような神秘的な攻撃ではないと、この攻撃はとても汚い攻撃だ。小雪は麗亜の体を見つめる。すると体からは変な液体が垂れていることに気づく、その体液は地面をも焼いていた。小雪は言う。
「あんた・・・攻撃わかったわよ」
『ほーーー何をわかったのかしら?』
「あんた、その体液を撒き散らしながら攻撃をしてたんでしょ・・・・」
麗亜は自分の体から体液が湧き出ていることに気づく。麗亜は絶叫する。
『ぎゃあああ!!なんで!なんで私の美貌からこんな液が出てるの!』
麗亜の絶叫は止まらない。理由は麗亜の服がその体液によって溶けていき、乳房が露わになってしまうからである。
『いや!いやあああ見ないで!なんでこんなことになるの・・・』
麗亜のその羞恥心が彼女の能力の開花となってしまうのであった。麗亜の体は更に化け物化していき、背中からは蝶のような羽が生えていき、そして目は蜘蛛の様に8つになってしまう。そして終いには人間であった上半身はクマンバチの様な黒い毛が生えてくるのであった。
「何これ・・・」
小雪はそう呟く。麗亜は自我を忘れてしまい奇声を発して小雪に襲いかかる。
『キュキュッキュイィいいいいいいん!!!』
小雪はその攻撃を瞬時に地面を凍らせ、そこを滑りギリギリで避ける。だが麗亜は大きな翼を華麗に動かし方向転換し滑っている小雪にその体液を吹きかける。小雪はその体液を凍らせようとするがその体液の噴出量が桁違いであり、押し負ける寸前になってしまう。だがそこに救世主の吹雪が現れる。
「小雪ちゃん!もっと全力を出すんだ!」
親子でその液体を凍らせようと頑張る。だが麗亜の力の方が上であった。吹雪は言う。
「く、なんて女だ・・・こいつの力の源ってのはその羞恥心なのであろう」
小雪はその言葉にあることに気づく。
「お父さんこの人ってドMなの!」
娘がいきなりそんなこと言い出すから吹雪は困惑する。
「小雪ちゃんなんて事を言うんだ。この状況と何か意味はあるのか?」
小雪は言う。
「この人は今、大勢の人に裸を見られてその恥ずかしいと思う気持ちが彼女を強くさせているの。だって」
「ドMだからって言いたいのかい?」
「そう」
吹雪は麗亜に嫌悪感を抱く。
「ド変態のビッチめ」
「お父さん言葉が・・・」
「あぁすまない、好みの性癖ではなかったからな!」
すると吹雪のその発言のせいで麗亜の力がまた上がってしまう。
小雪は言う。
「ちょっとお父さんがこの人のことを罵ったからまた噴出力が上がったじゃない!!」
「すまない小雪ちゃん!まさかこんな些細な会話ですら攻撃力が上がるなんて思わなかった!」
2人が絶対絶命の時であった。その時、麗亜の背中を燃えさかる炎が襲い、麗亜は怯む。
「今だよ、小雪ちゃん!」
「うん!!!」
そう言うと2人は勢いよく己の能力を放つ!すると体液は凍っていき、そのまま麗亜をも凍っていく。2人は叫ぶ!
「「うおおおおおおおおおお!!」」
麗亜は見事に氷の塊になり地面に転がる。小雪ちゃんたちはその隙に麗亜から離れ、助けてくれたお母さんの寧々にお礼を言う。
「ありがとう寧々。危うく死にかけたよ」
「いいのよ、そんなことより小雪ちゃん。肩の傷は大丈夫?」
「なんとか傷口を凍らせたから止血はしてるわ。でも痛みと痒みが止まらないの・・・」
そこにある男が近づいてくる。その男は座敷わらしである。
「小雪さん、この薬を使ってください」
座敷わらしは例の薬を差し出す。
「ありがとう、座敷わらしさん」
小雪は薬を飲む。すると小雪の傷は完治し、小雪の困っていた痛みと痒みが消える。
「本当にこの薬は万能だわ。そうだ、座敷わらしさんその薬ってあと何個残っていますか?」
座敷わらしは薬の入った袋を見る。
「あと2つです。なぜですか?」
小雪は言う。
「その薬を烏間先生にも使ってあげてくれませんか?」
「それは・・・構いませんが彼はどこに?」
「恐らく大輝くんの・・・茨木童子の家にいます」
「その場所は?」
「ここから西に5分進んだ位置にあります」
「わかりました、じゃあ先に行ってますね」
座敷わらしはそう言うとその場を後にする。すると吹雪は麗亜の亡骸を見て言う。
「こっちは一件落着したようだな」
小雪も同じ方向を見て言う。
「そうだね。短い時間の戦闘だったけど強い敵だった」
吹雪は小雪を抱き寄せ言う。
「そうだね。よく頑張った小雪ちゃん」
「ありがとう、お父さん。そしてお母さんもあの時助けてくれなきゃ私たちは死んでたわ」
寧々も小雪の肩に手をかけ言う。
「うん、家族を影でサポートするのが主婦の宿命なの、それを成し遂げただけのことよ」
「これは家族での勝利だね」
吹雪はそう言う。そして吹雪は目線を小雪に向ける。
「さて、未来の義息子の元に急ごうか。君たちの晴れ舞台を見るためにも彼を助けに行かないと」
小雪は少し顔を赤くし恥ずかしがる。
「お父さん、気が早すぎだよ・・・・」
それを聞いた吹雪は笑う。
「そうだな」
すると霜月家全員が笑い始める。そしてその場を離れようとした瞬間であった。麗亜の亡骸があった方向から、何かが割れる音が聞こえる。小雪たちは物音の聞こえた方を向く。すると氷の塊になっていた麗亜はその氷を割り、また復活をしようとしていた。吹雪は言う。
「なんだと・・・まだやつは生きてるのか・・・」
「そんな・・・」
小雪はそう呟いた。寧々は開いた口が塞がらなかった。麗亜の復活を感じた妖怪たちは麗亜に襲いかかる!妖怪たちは言う。
「ヒャッハーー!!デケェー虫だ!!襲え襲え!!」
「ウマそうな虫だなぁ〜」
50人以上の妖怪たちが麗亜に群がり、各々の武器で麗亜を攻撃する。小雪は叫ぶ!
「みなさんやめてください!相手は攻撃や何か嫌な事やられると!!」
小雪の言葉が届く前にその悲劇は起きてしまう。攻撃を食らっていた麗亜の体はまたもや光始める。麗亜に群がっていた妖怪たちは光に包まれ、その後、後型もなく消えてしまう。そして麗亜は姿は変わらないままなのだが、大きさが2倍くらいに巨大化していた。吹雪は言う。
「あいつら余計なことをしやがって・・・」
寧々は吹雪に尋ねる。
「それで・・・どう対応する気なの?」
吹雪は少しの沈黙の後こう叫ぶ。
「おい、お前たち!逃げるんだ!!」
吹雪の発言に皆、驚くが吹雪はさらに追い討ちをする。
「おい!死にてぇのか!早く座敷わらしの後を追うんだ!」
その言葉の後、皆は一斉にその場から逃げ始める。だがそれを追うモノがそれはもちろん麗亜である。麗亜は口から例の液体を吐き出す。その吐き出された液体が地面に着いた瞬間、大きな音とともに爆発が起き、その爆発のせいで巻き上がった土煙の中にもその気体化した液が混ざっていて、それを吸い込んだ妖怪たちは体の内側から溶かされていく。それを知った吹雪が叫ぶ!
「みんな爆発に巻き込まれるな!相手のことを見て相手の次の行動を先読みして逃げるんだ」
寧々は言う!
「そんなことできるわけないでしょ!!妖怪みたいに感がいいわけじゃないんだから!」
寧々に怒られた吹雪は寧々の方に向かい、そして寧々の事をお姫様だっこする。寧々は恥ずかしさのあまり暴れる。
「ちょっと吹雪!下ろしてよ!いい歳こいてこんな格好なんて嫌よ!」
吹雪は寧々の顔を見て言う。
「俺にとってはまだ会った頃と変わってないよ寧々。そして”最期”にお前の顔を間近で見ておきたい」
「え?今なんて言ったの?」
「勝算は残っているって言ったんだ」
吹雪は小雪に言う。
「小雪ちゃん!君は一足先に、烏間たちのところに行くんだ!そしてパラレルワールドから逃げ出す準備をするように家にいるみんなに伝えてくれ!」
小雪は「わかった!」と言って、地面を凍らせその氷をスケート選手のように滑って行く。それを発見した麗亜は一直線に小雪のことを追う。だがそれを吹雪が麗亜の羽を凍らせ阻止する。
「1分は保ってくれ・・・」
吹雪はそう呟く。すると寧々は言う。
「食い止めればいいのかしら?」
「そうだね・・・だがあまり過激なことはできないから君の大好きな火あぶりは無理だね」
「そうね・・・どうするの」
「こうする!」
吹雪は麗亜の足元を凍らせ更に身動きを取れなくさせる。
「これで3分は稼げるぞ、俺たちも向かおう」
「ええ、そうね」
吹雪たちはその場を離れる。
********
一方その頃、一足先に移動していた座敷わらしは烏間たちがいる家にたどり着く。そして大きな声で言う。
「鴉天狗さん!鴉天狗さん!!いますか?座敷わらしです。あなたの傷を治してほしいと言われてきました!」
その声に応えるように、ドアからは藍架が出てくる。
「座敷わらしさん!あなたを待ってました。あなたの薬が必要で・・・・」
「わかりました・・・案内してください」
「わかりました・・・こっちです」
藍架は烏間が寝ている部屋に座敷わらしを案内し、座敷わらしを烏間に会わせる。藍架は説明する。
「外見の傷はなんとか香奈さんのお父様が縫ってくださったのですが内出血が止まらないんです。このままだと死んでしまうところだったんです」
座敷わらしは烏間の横に行き、小瓶を取り出し烏間に飲ませる。
「烏間さん、今痛みが和らぎますからね。さぁ、この薬を飲んでください」
烏間は言う。
「安全・・・なんだろう・・な・・・」
座敷わらしは言う。
「えぇ、我が家の伝統の秘薬なので大丈夫です。現に霜月親子も使ってなにもないです」
「そうか・・・じゃあ・・・いただこう・・・」
烏間は恐る恐るその薬を飲み干す。するとものの数秒で傷が完治してしまう。
「これは・・・すごいな・・・」
「でしょ」
「ありがとう。座敷わらし、これであいつらに加戦できる」
その言葉に藍架は猛反対する。
「まだ戦う気なの?孝」
「あぁ、だがもうあんなことはないから。安心してくれ・・・」
藍架は烏間の目を見て、本当に大丈夫かどうか確かめる。少し迷っている間に、小雪がその家の壁を壊して部屋に飛び込んでくる。皆は驚く。
「いててて・・・」
烏間は叫ぶ!
「お前!ドリフ●ーズのけんちゃんみたいにいきなり出てくるな!」
「いやーごめんなさい・・・」
藍架は言う。
「だいたいね!あんた落ち着きがないのよ!」
小雪は言い返す。
「うるさいわね!悠長なことを言っていられないの!烏間先生、早くこのパラレルワールドから脱出する準備を!」
「なんだと?」
「麗亜があまりにも強すぎて逃げることになったんです」
「なんだって!?お前たち親子でかかっても勝てないのか・・・」
「そうなんです」
「なら、俺なんかが加戦したところで勝ち目はない・・・わかった霜月。逃げる準備をする。藍架も人間の皆に言ってくれ」
藍架は少し困った顔をして言う。
「わかったわ、みんなに伝えてくる」
藍架と烏間はその場から去る。すると妖怪たちの叫び声とともに爆発音が聞こえてくる。吹雪の足止めは3分も保たなかった。
すると麗亜が近づいてくることに気づく。なぜかと言うと奴の羽ばたく音が聞こえてくるからである。その時、吹雪たちが家に辿り着く。
「小雪ちゃん!みんなには伝えてくれたかな?」
「えぇ・・・今さっき」
「じゃあ麗亜の足止めを手伝ってくれ!」
「わかったわ」
小雪たちは外に出る。すると先ほどより2倍、巨大化した麗亜が100メートル先を飛んでいた。小雪は尋ねる。
「お父さん、これって」
「少し刺激を与えちゃってね・・・」
「そうなの・・・でもおかげで烏間先生に事態を伝えることはできたよ・・・」
「ありがとう、最後にもうひと働きしてもらうよ」
「わかったよ・・・」
「小雪ちゃんは右、私は左に行く」
「了解!」
吹雪は寧々の方を向く。寧々は言う。
「わかってるわよ。準備ができたら大声で言うわ。いってらっしゃい2人とも」
「「行ってきます!!」」
2人はそう言うと左右に別れる。それを見ていた寧々は呟く。
「私は真ん中ね」
麗亜は逃げ遅れた妖怪を貪りながら着々と小雪たちを追い込んでいた。そこに吹雪が放った無数の氷の矢が麗亜を襲う!すると放たれた急所である首に当たる。麗亜はあまりの痛みで奇声を発する。
『ギャあああああああ』
その声は人間ではなかった。その奇声を聞いた吹雪は言う。
「喰らえよ、マゾ女」
麗亜はその矢を振り払おうとしたのだが、吹雪の氷は動く物を凍らせてしまうと言う能力。ならなぜ麗亜を仕留めることができないのか?それは麗亜の能力である成長のせいである。その能力は攻撃を食らうと彼女の性癖のせいでなんだかの成長をする。成長をすると成長をする前に食らった攻撃の傷が回復すると言う能力である。麗亜は更に成長をし始める。麗亜の体はまた光り始める。すると小雪が氷の塊を作り成長中の麗亜に投げる。だが麗亜が成長を止まることはなかった。光が収まった。麗亜の傷は回復し、体長がさっきより10倍以上大きくなっていた。吹雪は小雪の横に着く。
「ナイス攻撃だった」
「お父さんも、でもまだ時間が足らなそうね」
小雪は家の方を見る。そこにはあたふたと動く友達たちが居た。小雪たちは目で合図し、攻撃を再開させる。麗亜は大きな羽を激しく羽ばたく、そしてその風が木々を襲う。すると木々は溶けてしまう。それを見た小雪たちは羽ばたいた時に起きた風を凍らせる。小雪は言う。
「風にもあの液が混ざっているのね・・・」
吹雪は言う。
「小雪ちゃん!奴の羽を凍らすんだ!」
「わかった!」
吹雪たちは瞬時に動き、麗亜の羽を凍らせしていく。その度に麗亜は成長し、麗亜は巨大化する。すると麗亜は小雪たちの陰謀に気づく。麗亜は移動のスピード上げみんなのいる家に向かう。吹雪は言う。
「まずい!」
吹雪は冷気を勢いよく放つ。そして麗亜はその冷気に飲みこまれる。すると麗亜はまた成長する。そして麗亜は怒り吹雪を標的にする。麗亜は例の液を吐き始める。それを吹雪は全て凍らせる。麗亜はそれを見通していたのか、その巨大な口で吹雪のことを飲み込もうとする。吹雪は瞬時に氷のバリアを作り、その攻撃ををギリギリで躱す。
「次はこれだ!」
その口を凍らせ巨大な氷の刃を作り、口の中に放り投げる!だがその刃は例の液によって溶かされてしまう!すると液はバリアと口の氷を溶かし、吹雪への攻撃をまた始める。吹雪は麗亜から距離を作るために小雪と同じように地面を凍らせ滑って移動する。麗亜はそれを追う。吹雪はなんとかしてみんなから麗亜を引き剥がす。小雪はそれをただ追う。麗亜は液を大量に吐き出す。吹雪はその全てを凍らせ言う。
「お前の攻撃は効かねーよ!麗亜!」
すると麗亜は叫ぶ!
『グシャアアアアアアアアア』
麗亜は尾に着いてある針で襲ってくる。
「翻訳してやろう。これならどうだだろ?麗亜」
『アヤアアアアアア!!』
「次はそうだだな。だが・・・お前にはもう1人敵がいるのを忘れるな!」
吹雪がそう言うと麗亜の裏から巨大な氷の塊が麗亜を襲う!そして麗亜は裏を見る。そこには小雪の姿があった。小雪は言う。
「どう?氷の塊の威力は・・・」
麗亜は叫ぶ。
『キャアアアアア!!!』
「翻訳すると気持ちいいでしょ・・・マゾね。そんなあなたにプレゼントよ!」
小雪は巨大な鋭い氷柱を地面に作り、麗亜の腹に突き刺す。すると麗亜の急所に突き刺さったのか動きを止めてしまう。小雪は言う。
「死んだの?」
吹雪は息をあげながら言う。
「油断するなよ・・・小雪ちゃん」
小雪が言う。
「お父さん大丈夫?」
吹雪は言う。
「あぁ・・・もう歳には抗えないね」
「そうだね・・・」
吹雪は小雪の手を借りてその場から立ち上がる。すると寧々の声が聞こえる。
「小雪ちゃん、あなた。準備ができたわ!」
小雪たちはお互いの顔を見て寧々の元に走り始める。
*******
小雪たちはみんなのいる場所に着く。烏間は言う。
「おぉ!きたか!!これで全員揃ったな」
吹雪は言う。
「待たせてしまって申し訳ない」
烏間は言う。
「いいってことよ、んであのマゾ女は倒せたんか?」
烏間がそう言った瞬間であった。大きな地震が起き始める!烏間は言う
「これは!なんだ!!」
小雪と吹雪は空を見上げる。するとそこには空を覆うくらいの大きさになってしまった麗亜の姿があった。吹雪は言う。
「烏間!!早くしろ!!奴が蘇った!!」
「何!」
「俺には時空の壁を壊すことはできない!!お前のサイコキネシス(念力)で時空の扉をこじ開けろ!!」
「わかった!!」
烏間は念力で時空の扉を開け、大輝たちのいる世界と繋げる。すると吹雪は全員に聞こえるほどの声量で言う。
「みなさん早く!!ここを通り抜けてください!」
すると助けた人間や共に戦ってくれた妖怪たちは別次元に逃げていく。そして烏間の彼女である藍架が言う。
「吹雪さん、ありがとうございます」
「いえいえ・・・私たちもあなたたちが助けてくれなかったら全滅してました・・・これからも小雪のことをお願いします」
「はい!ではまた後ほど・・・」
藍架は向こう側の世界に行く。次に烏間が吹雪に言う。
「おい、もうお前たち家族しかいないからお先に失礼するぞ」
「わかった、向こう側でもう少しだけ支えててくれよ」
「あいよ〜」
吹雪は手を差し出す。
「ありがとう、烏間」
烏間はその手を握る。
「こちらこそだ」
そう言うとその場を立ち去る。寧々は言う。
「あいつを倒せなくて残念ね」
「そうだな・・・」
小雪が言う。
「でも実質勝利なんだと思うよ。時には逃げなきゃ。そしてもし向こう側に世界に来ても味方が増えるから勝算は増えると思う」
吹雪は小雪の言葉を聞いて笑顔を見せる。
「大丈夫だよ小雪ちゃん・・・」
「ん?」
吹雪は深呼吸して言う。
「お父さんが・・・・奴を倒すから」
「どう言うこと?」
「ここに残って・・・奴を永遠に葬るからね」
小雪は言う。
「でもどうやって?2人で手を組んでも倒せなかったんだよ?」
吹雪は言う。
「お父さんが唯一試していない技があるんだ。それは味方をも巻き込んでしまう技なんだ・・・だから君たちにはあっちの世界に避難してて欲しいんだ」
「でも・・・」
小雪が何か言おうとして瞬間、吹雪は小雪のことを強く抱きしめる。そして言う。
「君たちの幸せを祈ってる。ごめんよ・・・」
吹雪は寧々を見る。寧々は彼がこの後何をするのか悟っていた。
「小雪を頼む」
寧々は涙を拭い言う。
「わかったわ」
寧々は小雪の手を強引に引いて向こう側の世界に行こうとする。小雪は踠きながら言う!
「ちょっと!待って!!ねぇお母さん離してよ!お父さん!待って!」
吹雪はその姿を見つめながら涙を流す。
「じゃあね・・・・小雪、寧々・・・愛してる」
吹雪は叫ぶ。
「いいぞ!!烏間!閉めろ!!」
烏間は言う。
「あいよ!!」
小雪は叫ぶ!!
「やめてぇぇぇ!!お父さん!!!」
小雪の叫びとともに時空の扉はしまってしまう。烏間は言う。
「よし吹雪。大輝を助けに行こうか!」
だが吹雪からの応答はない。不自然だと思った烏間は後ろを振り向く。するとそこには吹雪の姿はなく、泣き崩れていた小雪がいた。烏間は言う。
「おい・・・霜月・・・吹雪はどこだ?」
小雪は泣き崩れていて何も言えない。小雪に代わり、寧々が言う。
「残ったの・・・」
「はぁ?」
「あの人は・・・決着をつけるために・・・あそこに残ったの」
「でも、奴はもう殺せねぇーんだろ?」
「あの人にはまだ使っていない技があるって・・・」
「そんな技・・・・」
烏間はあることを気づく。
「まさか、あいつ・・・」
烏間はまた念力で時空の扉を開けようとする、だがそれを寧々は止める。烏間は言う。
「おい、なんで止めるんだよ・・・寧々!!」
「あの人の意見を尊重するためよ・・・」
「別の方法があるかもしれないだろ!!いいからそのお札を俺から引き剥がしてくれ」
「ダメよ・・・ダメ・・・もし戻ってあなたも死んだらどうするのよ・・・犠牲は1人でいい・・・あの人が必ず倒してくれるはず・・・あの人が・・・」
寧々はそう言うとその場に崩れてしまう。烏間は涙を流しながら地面を殴る。
「クッソったれぇぇぇ!カッコつけやがって!畜生おおおおお!!」
皆は状況を悟り、下を向く。
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私は思い出を遡りながら一歩ずつ麗亜に近づいていく。あぁ、烏間・・・小雪ちゃんたちをよろしく頼む。そして寧々・・・君は私にとって最高のパートナーだった。出会いは最悪だったけどね・・・笑ってしまうよ。君とこんな関係になるなんて過去の自分には考えられない・・・そして小雪ちゃん・・・君は私にとって掛け替えのない宝物だ。君のためなら死んでもいいとは思っていたよ・・・君の幸せのためなら・・・でも君の派手姿は見たかったな・・・そして大輝くん・・・小雪を絶対に幸せにしてくれ。私は麗亜の目の前に立つ。
「決着をつけようか麗亜!」
すると麗亜は恐竜のような鳴き声を上げる。
『ウギャアアアアアアアアア』
「翻訳は・・・どうするんだって言ったのかな?それは・・・今から見せてあげるよ・・・」
私はこの空間にある空気を凍らしていく。
「今からお前が味わうのは何も残らない冷たい世界だ。絶対零度の世界だ!!!」
私は手を叩く。すると今我々がいる世界の全てが凍っていく。それは空気だけでなく、私も麗亜も凍らせていく。そうこの技は全てを凍らせ全て奪う技だ。その名も『絶対零度』。麗亜は体の外側も内側も瞬時に凍っていき、今まで以上の苦痛により絶叫する。
『アアアアアア!!!』
私は体を見る。すると私の体も凍り始めていた。さて死を受け入れようか・・・麗亜は全てを凍ってしまいその場に倒れるすると巨大な体は粉々になってしまい、その場に散らばる。私は呟く。
「これでもう復活はできないであろう」
あぁ・・・視界がぼやけてきた・・・これが最後の言葉になりそうだな・・・
「寧々・・・小雪ちゃん・・・愛してる・・・」
吹雪がそう呟いた瞬間、大輝のパラレルワールドと共に、彼の生命の炎は尽きた。
霜月吹雪 死亡
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怪物の姿になった琉樹亜は言う。
『これは・・・夢なのか・・・こんなにも力が漲ることは人生初だ・・・』
琉樹亜は強い覇気を放つ。健翔たちはその覇気に一歩退けぞる。健翔は言う。
「これが・・・第2の進化・・・」
栖楴が言う。
「何ビビってんだお前ら・・・やるしかないだろ・・・」
土蜘蛛は言う。
「その通りだな・・・いくしかない!!」
土蜘蛛と栖楴は琉樹亜に立ち向かっていく。だが琉樹亜が指をパッチンと鳴らすとその時に起きるわずかな振動で2人は転けてしまう。現状を理解していない栖楴は言う。
「なんだ・・・今・・・何が起きたんだ・・・」
琉樹亜は笑う。
『指を鳴らしたのさ』
健翔は言う。
「なんかの映画のキャラクターか・・・お前は」
『私は絶対だとか言わないぞ』
「黙れゴリラ」
『あぁ悪い悪い。お口にチャックだな』
琉樹亜は肩の肩の筋肉で口を塞ぐ。それを見た瞬間、健翔は改めてここにメンツではこいつを倒せないことを悟る。琉樹亜はゴモゴモとした声で言う。
『さて・・・俺の反撃だ』
琉樹亜は健翔たちに向かってくる。健翔たちは恐怖のあまりその場を動くことができなかった。その時であった。空から黄金の輝きが健翔たちと琉樹亜の間に落ちてくる。その輝きは数秒で収まる。するとそこにはあの男が立っていた。健翔は言う。
「遅いぞ・・・直人」
直人は言う。
「悪いな・・・待たせてちゃって」
「全くだぜ・・・」
直人はニヤリと笑い目の前の敵を睨む。琉樹亜はその目を見て言う。
『いい威勢だな直人、だがいつまで続くかな?』
「この戦いが終わるまでだ」
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大輝はとある扉の前に立っていた。大輝はこの奥に阿部野波流斗がいることを感じていた。なぜならこの奥からの邪悪な妖気が凄まじいからである。大輝は深呼吸をしてその扉に手をかける。すると扉は自動ドアのように独りでに動く。大輝はその中に入る。するとそこには案の定、阿倍野波流斗が立っていた。
波流斗は大輝の姿を見て言う。
「大輝くん・・・随分とはしゃいでくれてるね」
「決着をつけましょう。波流斗さん、この戦争も俺たちの因縁も何もかも」
大輝は構える。すると波流斗も刀を抜く。
「来いよ、大輝くん。君の死に顔を早く見たい」
「では、お構いなく!」
大輝は駆け寄っていく。そして柊を振り上げ斬りかかる。波流斗はその攻撃をいとも簡単に刀で受け止める。大輝は瞬間に距離をとり、波流斗の能力を警戒する。波流斗は言う。
「素晴らしいな、私の右手を警戒して距離取るなんて」
「あなたの能力、右手で触れたモノはあなたの想い通りになるって能力はとても厄介ですからね。先にどうにかしなくてわ」
波流斗は刀を構え言う。
「じゃあ次は私から行こうか・・・大輝くん」
大輝は固唾を飲み、波流斗の攻撃に備える・・・
第48章 終
どうもみなさんオハヨーダ! 神暁翼です!6月中にもう1作投稿できなくて申し訳ございませんでした><
いつも通りのリアルで色々あって書けませんでした><
さて、今回の章なのですが家族の深い愛と別れというテーマで書きました。
王道の死に方ではありますけどね^^: この死に方はこの物語を書き始めてた頃から考えていた死に方だったので満足ですw
最後になりますが半妖師は残りあと2話を予定しております。また投稿頻度は不安定にはなると思いますが最後までお願いいたします!
ではまた次回!バイバイ!!




