夏の雪 中
〈第14章 夏の雪【中】〉
吹雪さんとの戦闘が終わり俺は泉達の元に急いでいた。
するとその時悲鳴が聞こえた。
その悲鳴は聞き覚えのある悲鳴。
「小雪ちゃん!!!」
俺はとにかく急いだ!
だが到着したときには戦闘はすでに終わっていた。
みんなは車の外にいた
傷跡は特にない、だが一人少ないことがわかる。
そう、小雪ちゃんがいない。
はぁ、またあいつは拐われたのか。
ったくあいつはなんでこんなに誘拐に好かれるんだろうか
拐った犯人は大体わかる。
四国獣神百鬼夜行の誰かだろう。
ま、とにかく今回も小雪ちゃん奪還って訳になるなこりゃ
俺は酷く落ち込んでいる健翔の元に行く。
すると健翔は俺に気づく。
俺は健翔の横に座る。
「よ、健翔」
「やぁ、大輝。
大分やられたみたいだね。
体がボロボロだよ」
「あぁ、小雪ちゃんの親父はグルだった。
殺してはいないが。
もうしばらくしたら縄で捕まえて本部に受け渡そうと思ってね」
「ふ、そうか、敵だったか
それじゃあ霜月は半妖ってことに?」
「さぁな、それはわからん」
「そうか」
すると健翔はいきなり大粒の涙を地面に落とし涙声で叫ぶ。
「俺は!友を守れなかった!
俺はエージェントなのに!
でも守れなかった!!
自分が無力だから!!
だから・・・・・うぅ」
今こいつは自分を責めている。
それはエージェントという名を背負っていることを
自分の弱さを
俺は健翔の肩に手をかけ伝える。
「お前は悪くない。
確かに小雪ちゃんを守れなかった。
でもなここで諦めてどうするよ!
拐われたんなら返してもらいに行くのが普通だろ?
元気出しな
助けに行くぜ」
その言葉を聞いた健翔は泣きながらも言う。
「わかった!わかっているとも!!!
今度こそあいつらにエージェントの力を見せつけてやる!」
「その意気だ」
健翔の目が覚悟を決めた目になった。
それを確認した俺は健翔の元から直人の元に行った。
「よぉ直人
お前はいい目をしてるな」
直人はふ、と笑い言う。
「あぁ早く行こうぜ
あいつらから霜月を取り返してもらう為に」
「あぁ、行こう」
俺達は目の前の目標を達成するため一つになる。
俺達が来た場所の近くに山がある。
俺達はその山が怪しいと思った。
俺達がその山に入ろうとした時、ガサガサと草を揺らす音が聞こえた!
俺達は音の聞こえた方を振り向く!
すると、アタフタな足取りで吹雪さんが現れた!
く!もう目を覚ましたか!
俺達は戦闘体勢に着く!
すると吹雪さんは言う。
「ま、待って!!もう君達とは戦う気なんてない!」
「何?」
俺達は戦闘体勢を軽く解く
「私は君達に知らせよう思ってここに来た!」
「知らせることだと!
一度裏切ったやつの言葉を信じると思うか?」
と俺は言った。
すると吹雪さんは言う。
「大輝君の言う通り信じにくいであろう。
だが今から私は君達側の妖怪となる、私は伴示を裏切るからな」
その言葉に俺達は少し驚いた。
堂々と宣言したんだ。
その言葉には嘘はなく
純粋に透き通った真実を述べている者の言葉でだった。
吹雪さんは続ける。
「私は好きで奴の手下でいたのではない!
脅されていたんだ!
奴はこう言ったんだ!
『君が僕の仲間にならないと君達霜月家を陰陽師に受け渡す。だが僕の言いなりなれば君以外の者には手を出さない』と!
あの時はまさに死刑決断された被告人の気持ちであった。
だがまだ光があると思い私は今まで奴の元で働いていた。
だがついに奴は裏切ったのだ!
今奴は小雪ちゃんの処女を狙っている!
私は阻止したかった!
だができなかった!
私は無力だと思っていた。
だが君達が現れた!
小雪ちゃんの為に命を張れる者がいてくれた!
その者達の私は着く!
そう決めたんだ!
だから!!!」
吹雪さんが心を述べていたとき木がざわついて木葉が舞っていた。
そしてそれは怪奇現象だとすぐに気づいた!
なぜならその木葉達は吹雪さんの裏で人形に変わっていっていたんだ!
熱く気持ちを述べている吹雪さんはそれに気づかない!
これは危険だ!と思い叫ぼうとしたが吹雪さんの腹は貫かれた!
裏に現れた者に!
その者はこう言う。
「へぇー そうか、霜月さん
あなたは過ちを犯したようだね」
吹雪さんは吐血しながら言う
「グハッ! は、伴示!」
何!こいつが伴示!!
見た目はイケメンだが考えてることは外道そうな奴だ!!
なんかそんなオーラをしている!
伴示は吹雪さんに刺した短刀を更に押し込める!
吹雪さんは絶望の叫びを発した!
その悲鳴を聞いたからか
それとも本能かそうさせたのか
小雪ちゃんのお母さんが咄嗟に伴示の元に近づきしがみつきながらこう言う!
「この変態狸め!
私の夫にてを出すんじゃあないわよ!!」
伴示はその行為にか
その言葉にか
鼻で笑う
「ふん、さすが夫婦ってところか、似た者同士愚かだな。
たかが人間がこの僕に楯突くとはねッ!」
伴示は吹雪さんを貫いたいた短刀を抜き、寧々さんに斬りかかる!
寧々さんはあくまでも一般人だ!
寧々さんは何もできない!
その通り、寧々さんはその場に自分のを体を守るように倒れる!
だが攻撃は食らう!
肩から肘にかけて深く斬られてしまった。
「う!!」
「寧々ぇ!!」
「ふん、苦しまず動脈を斬って殺してやろうと思ったのだが以外と素早かったな。
まぁいい、あんたも夫と同じく残虐な死に方でで死ぬといい
さーてと」
伴示は吹雪さん達を交互に指す
「どちらにしようかな天のお月さまの言う通り」
そして指は寧々さんを示した。
「最初に死ぬのはあなたの方だね
奥さん」
そう言うと伴示は刀を振りかぶった!
「寧々!逃げろぉ!!」
寧々さんは腰が抜けてしまい動けない!
ヤバイ!!
そう思い俺は叫ぶ!
「時よ止まれ!!!」
1.5秒だけ時を止める!
そして刀を振りかぶった伴示の目の前に立ちその刀を払う。
そして時は動き出した!
ジャリーンと地面に叩きつけられる短刀。
目の前に俺が立っていたからか3人は驚愕していた。
だがすぐに伴示は笑う。
「ふふふふ、これはこれは
イレギュラーの半妖、茨木大輝君じゃあないか!」
「これはこれは変態ぽんぽこじゃあねーか」
「君も愚かだねー
裁かれる者を裁こうとしている間にはいってくるとはね」
「ふ、裁かれる者?
どこにいるのかな?」
と惚けてみると、奴は少しムカついたのか少々怒気が混ざった声で言う。
「お前、頭がどうかしてるのか?
お前の裏にいる者らだよ!
マヌケめ!!」
「そんなに怒ってどうした?
人の考えが一致しないのは当たり前のことだろ?」
と、俺は奴を挑発する。
するとやつは血管をピクピクさせて怒り始めた!
「くぅ!!プラン変更!ここで貴様を殺す!」
これは孫子の兵法書という中国の書物に書かれている戦法の一つだ。
まぁ俺は漫画で少ししか触れていないから詳しくはしらんがな。
奴はいつの間にか拾っていたのか
その右手には短剣を持っていた!
そして俺に斬りかかる!
だが俺は柊でその短剣を受け止める!
「なにぃ!!」
今、奴の動きは操っているようにわかる。
短剣を持っていたのは予想外であったがな。
なぜかというとだね
怒らせたのはこの為
行動を分かりやすくするためなんだ。
喧嘩の時冷静でいたほうが勝つ、これはあたり前の論理。
怒りで血が昇った者は分かりやすい事しか出来なくなる。
まぁ逆上して力任せになるってことだ。
こーゆーときは冷静に怒るのがいいんだよね。
俺は受け止めた短刀をなぎ払い腹を斬る!
だが伴示は退け腹をかすったたけであった。
「ふ、以外とあんたも素早いな伴示さん」
奴は更に怒り出す。
そして力任せに斬りかかってくる。
俺は裏の二人をチラッと見る。
どうやら吹雪さんの傷は治ってきている。
だが寧々さんのは一向に治る気配がない。
当たり前、人間だからな
縫わないといけないくらい痛々しい傷だ。
こいつを倒して病院に連れていかなくてはいけないとな!
奴の射程距離内に入る。
奴が刀を振り下ろす!!
だがその短刀を受け止める!
そしてつばぜり合いが始まる
ガタガタと震える手、奴の力は異常だ!
さすがに強すぎて競り負けてしまう!
「くぅ!なんだこの力は!」
伴示は俺の腹部を狙って突いてくる!
俺は横に転がり避ける!
だが伴示は短刀を投げ俺の肩に突き刺さる!!
「グッ!!」
そして伴示はいつの間にか近づき突き刺さった短刀で俺の背中を斬り裂く!
うぅ!血がドバドバ出ている。
そこまで深く刺さっていなかったから骨や臓器には損傷はない。
だが今の一撃は疲労から考えて重い一撃であった。
その傷を見て伴示は笑う。
「ふははは!!貴様は自分の術中にはめたと思っていたようだが私は怒っていても正気を保っていたさ!
そして逆に貴様はこの伴示の術中にはまってしまったのさ! 横を見な!」
俺は言う通りに横を見た
その時俺はとてつもないものみた!
こちらに向かってくる木葉が
次第次第にナイフになっていく!!
その時、伴示の能力がわかった!
こいつは木葉を操りあらゆる物体、物質に変えることができるんだ!
単純なのだが恐ろしい能力だ。
しかもここには木葉は山のようにある!!
ナイフ化した木葉は勢いよく俺の方に向かってくる!!
く、しょうがない!
もう一度時を止めよう!
「時よ止まれ!!!!!」
世界は静止する。
その間に飛んでくるナイフを薙ぎ払う!
恐ろしいに俺はナイフに囲まれてた。
俺は薙ぎ払った隙間を通り抜け回避する!
そして時は動き出す!
うまく回避できたのでナイフは地面や木に刺さった。
俺は吹雪さん達の方を見る。どうやら吹雪さん達は平気のようだ。
安堵の息を吐いたのもつかの間伴示は木葉に化け俺の目の前に現れ短刀で斬りかかってきた!
ガキィィィンンンンッッ!!
再びぶつかり合う刀!!!
すると伴示言う。
「この短刀をただの短刀だと思うなよ?」
俺が半笑いで問う。
「も、もしかして刀身が飛び出すとかか?」
伴示は笑いながら述べる。
「いや!刀身が自由自在に変えられるのさ!!」
ぶつかり合っている短刀の刀身がなんと柊と同じくらいの長さになる!!
「なにぃ!!」
俺は以外すぎて力が少し抜けてしまい刀を受け流され鐺で傷口を殴られる!!
「ぐわぅ!!」
痛みのあまり足元がぐらつく
そこを伴示は狙って斬りかかってくる!だがバランスを整え柊で迎え撃つ!
そして伴示の刀を弾き俺はやつの胸から腹まで斬る!!
力が入っていなかったから浅い一撃だ。
だが伴示は痛がる!
「うわぁぁ!!僕の血が!!
絶対に殺してやるぅ!!
八つ裂きにしてやる!!!」
そう言い残すと奴は再び消える!
さて今の体力的に次の攻撃で仕留めなければ俺はその場で力尽きるだろう。
俺は柊に全身全霊をかける!
そして構えを正眼から脇構えにチェンジする。
そして相手の位置を感じる。
これは剣士の戦い方だ。
俺は目をつぶり集中する。
頭の中ではサーモグラフィのようになっている。
そして相手の行動を見る。
サーモグラフィは体温で人間の形が白く見える。
今、俺の頭の中は妖気の塊が形になりそのモノを白い形で見える。
奴の妖気は左右に大きく揺れながらこちらに近づいてきている。
だが、もう最終的な位置は計算できた。
このままいけば左側で現れ斬りかかるだろう。
出るとき、その時が奴の隙だそこに俺の本気の一撃をぶつけるだけだ!!
そしてその時がくる!
木葉が伴示の形になりついに上半身が完成される!
ここだ!!
俺は柊を本気に斬り上げる!
そして伴示の真っ二つにする!!
だが感覚がおかしい。
斬った感覚じゃない!
俺は目を開け確かめた。
すると伴示は確かに真っ二つになっていた、だが血が出ていない!
つまり、木葉状態の伴示には攻撃は通用しない。
だが勢いで木葉がチリチリになり木葉が消える。
するとクラクラと足元がぐらつきついにその場に膝をつく。
「ハァハァハァハァ」
ついに"僕"の体に限界がきたのか。
ん?今自分のことを僕って・・・
ま、まずい!!
妖怪モードが!?
ガサガサガサと近く草がぶつかる音が聞こえた。
このままじゃ死ぬ!!
すると
ドックン!と心臓の鼓動が僕の体にら流れた。
その瞬間全身の力が抜け
倒れてしまった。
その後僕は意識を飛んだのだろう変な夢を見るのであった。
****
そこは暗闇であった。
そこに僕と妖怪モードの時の僕がいた。
僕が問う。
「ねぇもう一人の僕、ここはどこかわかるかい?」
「いや、俺にわからない
だがあの女はわかるだろう」
もう一人の僕が指を指す方を向いた。
するとそこには黒髪でロングヘアー、小雪ちゃんのような女の人がいた。
するとその女の人近づいて来てこう言う。
『茨木大輝、あなた達に試練を伝えるために私は現れました』
「「試練?」」
『そう、試練。
これより3つ伝える。
まぁ、今日で一つ消えるがね
まぁ今一状況がつかめてなくてもいい。
知らせるために私はいるのだから』
「わ、わかりました」
僕達は状況がつかめてはいないが了承した。
そして彼女は告げる。
『では今日君達に克服してもらう試練を言う!
それは敬うことだ。
自分を敬い一つ上の位置にいってもらう』
この時二人は思った。
訳がわからないと
だが彼女のお告げは続く
『試練その2
それは悲しみの克服だ。
これから君達には数々の悲しみが訪れる。
特に仲間の死だ。
これから君達はこれまで以上の戦いをするわ、それを乗り越えて糧にしてもらう』
『そして試練その3
自惚れるなだ。
これから君達は大きな力を手にする、だがけして自惚れるな!
それが一番の試練だ
以上お告げだ。
質問は受け付けない。
さて時間がないからな
早速第一の試練に移ろう。
柊!』
彼女に呼ばれて柊が横から現れる。
そして彼女が言う。
『これから君達にはちぎりの盃をしてもらう。
このちぎりはとても重要なこと。
肉体と魂を一つにする事をする!つまり!君達は完璧に一つになるんだ!
今は多重人格のようだが
これをすることで君達は本当に一人になるんだ!』
盃をね
そして僕達は本当に一人なり
本当の力を手にするってことか。
さっきよりも状況がつかめたところで柊が言う。
「盃の酒の中に少し血を入れてもらいます。
よろしいですね?」
二人とも了承した。
するとパン!と彼女が手を叩くとそこには酒とお猪口が現れた。
そして彼女が酒を注ぎ、
柊で指先を斬り血を入れる。
そして腕を絡ませる。
「これで本当に一人になるんだね」
「そうだな。 こうして会うのは最後だな」
「うん、今までありがと」
「あぁ、ありがと。
そして」
「「これからもよろしく」」
そして酒を呑みこの夢は消えていく。
こうして第一の試練は成功した。
****
大輝と伴示との戦いは長引く!
すると大輝が倒れる!!
そして消えていた伴示が現れた!!
俺は叫ぶ!
「直人!大輝を守れ!!!」
「おう!!」
伴示は怒りのせいか力任せで刀を振り上げる!
「くははは!!これで最後だ!茨木大輝ぃぃ!!」
だ、ダメだ!
動揺して手が震え狙いが!!
直人もどうやらびびってしまい行動が遅い!!
そしてその時がくる!
伴示が刀を降り下ろした!!
もう間に合わない!!
と思ったとき大輝から電流が迸る!!
そして電流が電気の玉になる!
そしてぇ!!
伴示の足を飲み込み伴示の足を消し飛ばした!!
大輝は立ち上がり伴示に言った。
「俺の名は茨木大輝
茨木童子の末裔だ」
第14章 終
最初の一言
投稿を遅れて本当に申し訳ございません。
あと中編をいれてしまい申し訳ございません
後編はなるべく早めに投稿いたします。
なにとぞこれからもよろしくお願いいたします。
ってことでみなさんおはこんばんわ!
神暁翼です!
いやーホント今月は色々とありました!
親父の手術や携帯の故障など、
ホント疲れました(。´Д⊂)
まぁ、今夏休みなので疲れをとりながら小説をかいているって感じですw
さて14章の話をしましょう!
今回は大輝回です。
熱をたくさんいれました!
お楽しみいただけましたか?
詳しくは次回までのお楽しみに♪
んまぁとにかく次回で伴示編が終了です!
そして!ついにラストに近づいてきましたよ!
最後の最後まで熱は入れていきますのでよろしくお願いいたします!
ってことで次回お会いしましょう♪
バイバイ♪
次回はでき次第投稿します!!
よろしくお願いいたします!!