第五章 勇者の名の下に
キティルハルムでの、女王と王太子の二騎のみで戦乱の片がついた、「第二次アトランティア戦役」から一ヵ月後・・・
勇者たちは、ライテスに呼び出されていた。
「さあ・・・キリキリ吐け!ただし、別の意味で吐いたり、幻術で再現したりするのは反則だぞ!」
ライテスが、フローラの頭を両拳でぐりぐりとする。
「痛いって叔父様!」
「ルミナリアとファルフに聞いても、何も知らんとはどういうことだ?ストリア様になんか言われたんだろうが?あいつは、言えないことがあっても、すぐ態度に出る!そんなルミナリアに聞いても、「何も知らん」だ!」
「フローラ。諦める。ライテス様のことだから、きっと悪いようにはしない。」
「そうです。ライテス様には言っていいって言ってましたし。」
エリスとヤンが、助け舟を出す。
「幸い、二人は昼寝中ね・・・」
ルミナリアとファルフは、ルミナリアの部屋で昼寝をしていた。
「実は、当のストリア様から、「言うな。どうしてもというなら、ライテスとノワール二世だけにしろ。」と言われたからです。」
「そうか・・・無理に聞いて済まん。・・・で、どういう話だ?」
「実は・・・」
「そういうことか・・・今、各国軍の「空中旗艦」が、完成している。しかし、起動に時間がかかる。お前たちでパスキールに乗り込み、株主・・・レミナリア・ウズドガルドを倒せ。」
「えっ!?超魔王じゃなくて?」
「恐らく、超魔王復活は避けられまい。」