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第四章 第三話 教皇エクシィル
「小娘が!」
エクシィルは、火炎魔法を放つ。
「護戦の女神よ!我らに守る更なる盾を!女神の大盾!」
至高の盾の強化版であるこの術は、ルミナリアの最大の防御魔法だ。
炎を全てかき消す。
更に、左手をかざす。
「竜雷撃!」
その雷が、エクシィルのマントを焦がした。
「やるな・・・小娘!」
「そっちこそ、至硬の石頭の割にはね。」
「だりゃああッ!」
ばきッ!
「はあああああッ!」
どかッ!
ノワール二世と、キティ二世が神官兵を「片付けて」いく。
べしッ!
ばしッ!
時折、二人の尻尾が、神官兵の頭を殴り、失神させる。
「教皇!まだやるのですか!?」
ノワール二世が、声をかけた。
「全滅・・・?たった二人に、千人が全滅だと!?」
「あきらめなさい。玉砕してしまえば、降伏か全滅しかないわよ。」
「くッ!」
エクシィルは、実験用マウス一号と共に、この場から消える。
「まさか、こんなことが・・・」
ルミナリアは、呆然としていた。