第四章 第二話 結託
「奥義・黒猫の舞!」
「奥義・司書猫の舞踊!」
ノワール二世の舞うような体裁きと、キティ二世の踊るような足運びで、神官兵は次々と倒されていく。
「猫と侮ったか・・・」
「現に、僕の「子供たち」は、全部猫さんたちに「火葬パーティー」の薪にされちゃったからねぇ・・・」
その時だった。
「なるほど・・・そういうからくりだったのね。」
そこに現れたのは、ルミナリアだった。
「ふうん・・・ライテス君の娘さんだね。初めまして。」
「やってくれるわね。まさか、この人を封から出すなんてね。」
勇者たちが、ずらりと並んでいた。
「この変態クソネズミ!まさか、この人をスカウトするつもり!?」
フローラが啖呵を切る。
「そのまさかだよ。勇者よ!」
アトランティア教皇エクシィルは、にっと嗤う。
「父上が、「話した」ときは、恨みがましい表情をしていたって聞くけど。」
「貴様は、あの無礼な騎士の娘か!?」
エクシィルは、激昂する。
「そうよ。しかし・・・こんな自己中な人と話すなんて、父上も悪趣味だわ。」
「それに関しては、同感だな。」
ルミナリアは、神波動を発現させ、竜鳥の姿になる。
「せっかくの「贖罪」のチャンスを棒に振るなんてね・・・」
「無茶言うな。この男はそもそも自分のしたことを「罪」だと自覚していない。「間違った正義感」につき動かされた愚か者だ。」
ルミナリアとファルフが、剣を抜いた。
「一番タチが悪い。」
エリスが、突っ込む。
「父上が、宗教問題の手っ取り早い方法を教えてくれたわ。それは・・・」
ルミナリアは、エクシィルに剣を向ける。
「互いの宗教を潰すことよ。もっとも、この場合、アトランティアだけだけどね。」
「火葬パーティー」・・・キティルハルム建国期参照