第四章 第一話 女王と姫の戦場
「わかりました・・・はい・・・」
ガチョウおばさんがどこかと通話している。
「大変です。キティルハルムが、「侵略」されそうです。」
「まさか、こんな手を使うとは、黒猫さんも、思わなかったろうね。」
実験用マウス一号は、一人の老人の肩の上で不敵に嗤う。
「あれは・・・!」
進軍するアトランティア軍の前に、ノワール二世とキティ二世がいた。
「こりゃ、こっちは勝てないねぇ・・・」
「なぜだ?」
ノワール二世と、キティ二世は、神波動を発動させる。
程なく、猫神に「変身」する。
「あれは、「最も神に近い」姿だよ。下手すりゃ、あの二人だけで、こちらは全滅するかもしれない。」
「はッ!」
ノワール二世の姿が、掻き消えた。
次の瞬間、数人の神官兵が倒れ、悶絶する。
「やッ!」
キティ二世もまた消える。
こちらも、神官兵が、倒れる。
「あーあ・・・ばっちぃ・・・夫の以外触りたくないよぉ・・・」
「わがまま言うのはやめなさい。殺さずに「全滅」させるにはこれ以外にありません。」
二人は、神官兵たちの「お宝」に鉄拳を叩き込んでいたのだ。
それも、一度に数人である。
「あれは、見ているほうが痛いよ。」
しみじみと、実験用マウス一号がいう。
「下品な!やはり獣か!」
「そっち!?」
こ・・・これは「痛い」・・・!