第三章 最後の鍵
「単刀直入に言いましょう。」
ガチョウおばさんは言う。
「あなた方は勝てない。」
「なぜですか!」
フローラは、詰め寄った。
「六紡星を描いてみろ。頂点が六つできあがる。」
「確かに。」
グレイがぽつりという。
「そして、中央にも点ができる。」
「「「「「「!!!」」」」」」
「七人目の勇者だ。」
「それって、叔父様ですか?」
「違う。」
フローラの問いを、あっさりとストリアは切って捨てる。
「ライテスは、確かに天才だ。だが違う。そして、ノワール二世でもない。ふむ。ルミナリアとファルフは、別室を用意してある。そこで休め。」
「「??」」
言われるがまま、二人は場を外す。
「実はな、それはルミナリアは風の勇者ではなく、別の存在だ。」
驚く一行。
「これは、超魔王の陣営にも気付かれてはいない。まさか、「それ」を「株主」に据えているとは思いもせんだろう。「それ」が目覚めたとき、「真の風の勇者」と六勇者を率いる「天空の勇者」が覚醒する。よいか。時が来るまで隠し通せ!ライテスやノワール二世なら気付くだろうが、そのことに振られて「やむを得ない場合」にこの二人にだけ話すことを許可する。」
「どうしてもですか?」
エリスが尋ねた。
「どうしてもだ。」