第二章 第四話 天空の神々
そこは、荘厳。
そこは、神聖。
そこは、エルハンドラの中心部・エルハンドラ神殿。
「久しぶりだな。ルミナリア・ライテスにレイスト・フローラ・ティアムル。そして始めましてだ。勇者たちよ。」
そこにいたのは、光竜ストリアと竜神たちだ。
「お尋ねします。「超魔王」は、あなたがた「竜神」はともかく、「創造神王」や「破壊神王」は、手をおくだしにならないのですか?」
ルミナリアが、単刀直入に言う。
「そのレベルに達してはいない。なぜなら、「方々」が戦うと、「宇宙」に影響が出てしまう。一人が力を抑えて来る程度ならよいが、そうでなければこの世界など消し飛んでしまう。かつて我々は、高霊族を見捨てた。なぜか判るか?」
「もしかして・・・「神」の言葉を聞き間違えたから?」
「そうだ。お前たちの言う「自業自得」というものだ。しかし、この戦いは違う。ルミナリアなら気付いていると思うが、これは極論すれば人間の「矛盾」と「肯定」を両立するか、否定し全てを消去するかの戦いでもある。
あってたまるか・・・!
愛で全てを捨てるなど!
あってたまるか・・・!
憎しみで全てを否定するなど!
あってたまるか・・・!
その根源が、「宇宙」そのものであることが!」
ルミナリアが思ってきた言葉が、そこにあった。
「だからこそです。ゆえ、私は一度「愛」を捨てました。しかし、ファルフと許婚になることでわかりました。「全てを守りたい」がゆえに「愛」を捨てることが、間違いだと。」
「そうだな。だからライテスもユーフェルも・・・ユイもノワール二世も・・・「一つを手に入れるために全てを捨てる」ことのない世界を創ろうと努力している。その努力を笑われてうれしいか?その努力をけなされて楽しいか?自分の努力だけでなくな。」
ふと、ルミナリアはライテスに教えられた言葉を思い出す。
「「地球」の言葉にWin Winという言葉があります。」
「ふむ・・・「我も勝者。汝も勝者」転じて「平等」という意味だな?」
「はい。戦争に明け暮れ、疲れた地球の民が言い始めた言葉だと父に聞きました。」