第二章 第三話 はんだづけ
ユアンは、配電盤のはんだづけに勤しんでいた。
彼女は、ライテスの部下で工兵隊第一課の隊長で、白銀騎士待遇である。
「隊長!変形システムの接続終わりました!」
「隊長!艦内重力システムの接続終わりました!」
「隊長!エネルギー伝達システムの接続終わりました!」
ユアン自身も、作業を終了させ、ライテスに報告する。
「はんだづけ作業終了しました。パンダだけに。」
「了解。しかし、ベタだぞこのネタ・・・いくら君が人大熊猫とはいえ・・・」
こういうネタが好きなライテスさえも、ちょっと引き気味である。
「以前、邪馬台国の花見の茶会で、ヒデヨシ将軍の「ゴールドミスリルの茶室」を見たとき、びびっときました。私。」
ライテスは思った。
こいつ・・・趣味悪いと・・・
「構造が秀逸でした。」
そっちね。
「宝飾品とはいえ、あそこまで凝れるとは思いませんでした。」
「キティルハルムではウケんぞ。」
「ジャンルが違います。」
はっきりきっぱり言うユアン。
「我が部下ながら変な奴だ。」
「今に始まったことではありません。」
「娘にも、私自身言った言葉だと思うが気のせいか?」
「気のせいでしょう。」
こいつ・・・気付いていやがる・・・
笹をかじるユアン。
「どこの世界も、技師というのはこんな奴ばっかりか・・・」
ライテスは、肩を落とした。
自分も、人の事は言えないが。
ノクターンの「邪馬台国建国期」参照です。