第二章 第二話 竜神の神殿を祀る都市
転移装置が稼動し、ルミナリアたちはドラゴンシティから空中都市エルハンドラにたどり着いた。
「任務ご苦労様です大母様!」
出迎えたのは、翼が生えた騎士だった。
「ここは、エルハンドラ。竜神とそれに仕える「鳥人族」の都市です。」
「ま・・・まさか・・・大母様って・・・」
ルミナリアが、ガチョウおばさんを見た。
「そう。私は、彼らの母です。キティルハルムの民の母がノワールであるようにね。ホントあの頃は悔しかった。再会してときの第一声が、「おいしそうだけど、鍋にして国民に振舞えない。」ですからね!胸がないクセして胸をはって、「子供は五人いる。全て母乳で育てた。」なんて言われて、当時の私がどれだけ怒ったか・・・果てには、「「おばさん《マザー》」を名乗っているのに独身。」って言われましたよ・・・」
「胸なんか飾りです。偉い人には、わからんのです。」
エリスが、ぽそりと言った。
「その辺・・・ノワール女王はわきまえておられたようです。」
ぐぬぬと拳を握る、ガチョウおばさん。
「ま・・・まあ、ここを案内しましょう。」
無理やり締めるが、怒りの「気」が駄々漏れだ。
「私は、ストリア様に拾われ、ここに集まった鳥の卵に「使い魔の術」をかけ・・・要するに、ノワールと同じ方法で、ここに街を築きました。元々ここには、竜神方が、建設した神殿があり、「私の民」は「神官」となりました。いえ、キティルハルムの民が嫌悪する「神々」ではないので。」
「では、ここは・・・」
「そう・・・ドラゴンシティを立ち上げ、自分らはもう「不要」と考えた竜神方が、世界を見守るために建造した「神殿」なのです。常に、地上は「人間」が守ってきました。しかし、「竜神」が介入するのもやむなしとなっています。」
ノクターンシリーズの、「キティルハルム建国期」をご参照ください。




