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ハイブリッド・ブレイバーズ  作者: SHIN
第四部 ハイブリッド・ブレイバーズ
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第二章 第一話 勇者集結

「遅いわよルミィ!」

宿のロビーで、フローラが仁王立ちしていた。

なにやら怖ろしい「気」を放っている。

「許婚におんぶしてもらって、うらやましいぞ!」

「フローラ。ひがまない。」

ロビーのソファに座っていた少女が、声をかける。

ルーシャートの聖魔剣士ヴェイスト・エリス・イスカンダリアだ。

「ふみゅううう・・・」

エリスのひざの上で、従者の人犬ワードックの少年ヤンが、頭を撫でられ、気持ち良さそうにしている。一応、これでも「黒魔法」の使い手だ。

「こんなかわいいペットが、いるからこんなこと言うのよ!」

「ぼく、ペットじゃありません!エリス様の従者です!」

がうううと唸って、反論する。

完全にペットである。

「ま・・・お祝いといこうかね。」

そう言ったのは、人間くさいエルフ亜種の王子リーク・エルフィーラだ。

氷の魔術の達人だ。

「そうですね。特に、ライテス家はなったばかりの家です。めでたいですね。」

リークの許婚で、エルフィーラの公爵令嬢のミラ。炎の魔術の達人である。

「おや。みんな来ていたのか。」

フランクに声をかけるのは、この国の王子シャルス・ラムンセンである。

「このKY王子め!」


「議題だが・・・」

シャルスが切り出す。

「ライテス卿の報告だと、「レイスト・フローラ=光の勇者」「ルミナリア=風の勇者」「ヴェイスト・エリス=闇の勇者」「リーク=水の勇者」「ミラ=炎の勇者」「シャルス=地の勇者」となるらしい。」

「つまりは、「勇者」を隠して、代々共に戦っていたということか。」

リークが言う。

「でも、この武器・・・そんな感じはしないねえ・・・ん?」

リークの「吹雪の弓」が、剣に変わる。

「なるほどね・・・代々の氷術士は、弓士だったけど僕は剣士だ。これが「水の勇者」ってことか。」

ミラの「炎のレイピア」も剣に変わる。

「なるほど。わたくしも剣士ですからね。」

ルミナリアは、ファルフの背から降りる。

「これからどうする?」

「定番では、キティルハルムの王立図書館か、ドラゴンシティだね。」

「調べ物・・・」

そこへ、翼が生えた女性が現れた。

「ま・・・ガチョウおばさん(マザーグース)!」

「いいところをつきますね。ドラゴンシティに行きましょう。」


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