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第一章 第四話 覚醒!猫神
ノワール二世は、バルコニーで瞑想にふけっていた。
神波動の奔流が、彼女を取り巻いている。
そして・・・
次の瞬間、彼女の背からは、黒い翼が生えていた。
「ライテス卿が言っていた伝説の猫神・バステト?」
どうやら、神波動を全力で出すと、一時的に「進化」するらしい。
「おもしろいですね。もっともっと修行しなければ・・・」
ノワール二世の顔には、イタズラのネタを見つけた少女のような笑みが浮かんでいた。
「ん?」
王太子キティ二世の部屋からも、神波動を感じる。
が、どこか艶かしい。
「あらら・・・あの子ったら、真っ最中に覚醒してしまったの?やれやれ・・・血は争えませんね。」
ノワール二世は、微笑んだ。
「と・・・いうことは、邪馬台国のスサノオ陛下や東宮ヤマトタケル殿下・・・ことによるとオト妃殿下も覚醒するかもしれませんね。これは愉しみです。もしかすると、ヘクセンティアールやエルフィーラ・・・ルーシャートもそうなるかも。」
この時代は、変革期なのかもしれない。