第七章 覚醒
「風竜鳥咆哮!」
その神波動の嵐を止めた者がいた。
「やっぱりでてきたわね・・・光の大魔王ファレン・ファルスレート!」
ルミナリアは、妨害者を睨みつけた。
「父上にも言ったけどね・・・」
「「貴重な戦力を失うわけにいかない。」でしょ?親子二代でやるのもバカらしいわ。」
「そうだね。退くよ。ウォルスト。ミュウ博士やファルス博士とその助手たちも回収しなきゃ。」
それを見て、ファルフは剣を抜く。
「逃げるか?」
「そうとってもらって構わない。もともとはミュウ博士の偏見と嫉妬から始まったことだからね。僕は「株主様」からみんなを「連れ戻して」くるように言われただけさ。しかし、僕らの陣営でも一番大きな「失点」は、ルミナリア君と妹のユイ君を覚醒させ、おまけとしてルミナリア君に結果として「彼氏」をあてがっちゃたウォルストかもね。」
「まさか、ここまで派手な覚醒をするなどとは!」
「わからないのが「人間」だよ。それにしてもおもしろいね。君の父上は。」
「・・・・・・」
「あんなこと、普通は思いつかない。いや・・・思いついてもやらない。」
「やるのが、父上よ。」
「いやあ・・・あれだけ自分勝手しながら、自国だけでなく世界に貢献している奴は他にはいない。」
「だから嫌なのよ・・・アホ親父のくせして人様の役に立っているのが!」
ルミナリアは、ムキになった。
「「音楽操縦型巨大ゴーレム」あずさ二号か。ぷくく・・・ホントの傑作だ。」
言うと、ファレンとウォルストは姿を消した。
「今度は何作った!あんのクソ親父ぃッ!」
ルミナリアの絶叫が、夜闇に響いた。