第六章 ルミナリア爆走!
「光の中で~見えないものが~闇の中で浮かんで見える~」
ルミナリアは、歌っていた。
父の好きな歌だ。
なぜか心が、癒される。
私は、どこか壊れているのか・・・
「ほほう・・・どこぞの姫かと思えば、ライテスの娘か。」
「物好きね・・・「父親」に勝てなかったから、「娘」に意趣返し?」
声をかけてきたのは、ウォルストだった。
「父上が、言ってたわ。「この世界は、「地球」に比べて何でもできるのに、無駄にする奴が多い」って。」
ルミナリアは、剣を抜いた。
「私は、父上のように甘くはないし、母上のように無鉄砲でもない。」
「どう甘くないのだ?」
ルミナリアは、左手から光弾を放った。
「うぐッ!」
ウォルストのマントが消滅する。
「まだ、覚醒に至ってないからこの程度よ。」
「ま・・・まさか・・・」
「神波動・・・興味があったから、父上に教えてもらって修行してみた。手ごたえはあった。「悟る」のは、まだだけど。」
「こ・・・この娘は・・・」
ウォルストは、はっきりと判った。
かつて、自分と戦ったころのライテス以上だと。
「あなたたちの言うとおり、この世界はくだらないものが多すぎる。けど、父上や陛下・・・ノワール二世陛下のように直そうとしている人もいっぱいいる。」
ルミナリアの目が鋭くなる。
「無にする訳にはいかない!」
剣を構え、呪文を唱える。
「夜景斬刀!」
「な・・・なにッ!神魔斬刀の模倣だと!?」
長さ八メートル、幅三メートルの光の刃が剣を覆っている。
「覚悟しなさい!「勇者の一族」に産まれながら、「人をやめたもの」よ!」