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ハイブリッド・ブレイバーズ  作者: SHIN
第三部 手掛かり
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第四章 第四話 軌道エレベーター計画の裏

「あれは、おめえたちの言う、「古代文明」の時代・・・俺は、一人の錬金術師の爺さんに出会った。」



「よお!アンタが、高名なハイペリオン師か?」

「今じゃ、ただのおいぼれじゃよ。若い頃に妻と腹の中の子を殺されて以来、何もできんようになってしもうた。「エネルギー工学」で名を売っていたのは、昔のことじゃよ。今は、道楽で研究をして小遣いを稼いでおる。」

ファルスは、このハイペリオンという錬金術師の心の中に絶望を感じた。

何か・・・朽ち果てるまで生きている・・・それだけのような・・・

「俺の研究に一口乗ってみねえか?」

「ほう・・・お主の研究か?」

ファルスは、ハイペリオンに軌道エレベーター計画の詳細を説明した。

「ほほお・・・それなら、昨今の魔力不足は解消し、人類はもっと豊かになれるのう・・・しかし、「宇宙空間」で、太陽光を魔力に変換するシステムはどうするのじゃ?」

「そこなんだよ。俺の技術じゃ、そこんとこが無理だ。」

「ほお・・・それでワシの力が欲しいと?」

「さすが、爺さん!話がわかるぜ!」

そこからが、忙しくなった。

「ティス・・・おめえ・・・有給が溜まってるだろ?一週間ほど休め。」

「えっ!?」

「肉体的にはともかく、ストレスで死んじまうよ!」

「は・・・はい・・・」

助手のティスに、有給を命じるファルス。

「危ないのう・・・あやつは・・・」

「どういうことだ爺さん・・・」

「ありゃ、お主に惚れておる。」

「判ってるよ。」

「お主は、一見ただの堅物のようじゃが、違うな。」

「ああ。女がだめなんじゃなくて、恋愛がだめなんだ。人といると疲れる。そんな奴が人を好きになれるか?」

「そうじゃのう・・・」

「だからあいつには、「俺の気遣い」を学んで欲しいんだが・・・」

「ある程度のところで解雇するべきじゃな。」

「爺さん・・・」

「昔、ワシに横恋慕した女がおってのう・・・」

「・・・・・・」

ファルスは悟った。ハイペリオンに何があったかを・・・

「せめて「学ぶ」ことをするそぶりがなければ・・・」

「わかった。」


やがて、ファルスの研究室では、女性科学導師や錬金術師が噂をしていた。

「ねえ・・・あの子・・・いい加減諦めないのかしら・・・」

「そうね・・・リサだって、アプローチをやめたら博士は優しくなったって言ってたよ。」

「ほんと?エナも、「そういう態度や言葉」を出さなくなったら、自分のオタク話を聞いてくれるようになったって。」

ファルスは、基本的に「同族」には普通の態度をとるのである。

しかし・・・

「博士は、ハイペリオン師のほうがいいんだ・・・」

ティスは、見当違いの嫉妬をしていた。

「ゲッ!そっち!?」


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