第四章 第一話 天使!?
「・・・ふしだらな!」
そのエルフ女性は、一面記事の「邪馬台国東宮!出既婚!」と書かれた新聞を破り捨てた。
「落ち着かんかミュウ。」
「だってねぇ・・・あんな清楚で真面目なお姫様がよ!」
「嫉妬か?」
ウォルストが尋ねると、ミュウは、その覇気で否定する。
「この「醜悪の大魔王ミュウ・アストレート」、「負」の「真面目絶食野郎『女性含む』」の神!聖職者気質の労働者の味方。愛こそ発展を妨げる悪!」
「言っておくが、ライテス一家は味方にできんぞ。ネズミのスカウトを突っぱねたらしい。」
「そうよ・・・アタシは顔こそ美しいけど、心は醜悪よ!」
そのようすを、翼が生えた女性が見ていた。
「邪馬台国が危ないか・・・」
気配を消し、隠蔽の術で潜り込んだ彼女は、そこから転移した。
「ん?」
ミュウは、魔法力の揺らぎを感じた。
「気のせいか・・・」
邪馬台国帝都・江戸の出雲ホテル。
その一室で、ルミナリアは星空を見ていた。
「初めまして。「風の勇者」ルミナリア・ライテス。」
「あなたは?」
「私は、魔女エレノラの使い魔ガチョウおばさん。キティルハルム初代女王ノワールの同僚みたいなものよ。」
ルミナリアは、その天使然とした姿を見た。
「あなたが、竜神ストリアの言った「鳥の魔女」・・・」
「積もる話は後!大魔王の一人が、この国・・・っていうか、オト妃殿下を狙ってる!」
「なんですって!」