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第一章 第四話 風の剣
ウズドガルド考古局副長官ニルス・・・
魔導師・錬金術師であり、なおかつ日本語を修めたエリートである。
「ふむむ・・・謎のプロテクトか・・・竜神関連なんだな?」
「はい。どうやら、「「風の勇者」の証を見せよ」との音声が流れるばかりで、誰も扉を開けられません。」
ニルスは、フェアリーながら、師ライテスの代行としてここに来ていた。
「まったく・・・」
かじりかけのクッキーにかぶりつきながら、考える。
ここは、なにやら重要なものがあるに違いない。
かつて、「霧竜」と呼ばれた竜神が、「霧のオーブ」なる宝珠を持っていたように・・・
「副長官。ルミナリア・ライテス卿が、お越しになられました。」
部下が、声をかけてくる。
「ん・・・お通ししてくれ。」
「こ・・・このフェアリーが、叔父様の部下!?」
フローラが、仰天している。
「そうです。旦那様の一番弟子にして部下のニルス博士です。」
グレイが、応える。
「ところで・・・遺跡って・・・」
「うん。どうも、「風の剣」と呼ばれる剣が封じられているらしい。ただ・・・」
「ただ・・・?」
「「風の勇者」だけしか入ることができないらしい。」