第一章 第一話 任務
トラルティア城の応接間。
ここで、ライテス一家と国王ユーフェルは話をしていた。
「なるほど。では、君は『風の勇者』ルミナリスの転生体に違いない。」
「『風の勇者』!?」
「そうだ。かつて超魔王は、六人の勇者に封印されたとされる。ライテスの調査によると、そのルミナリスという勇者は、『光』『闇』『地』『水』『火』の勇者や『輝きのレイ』『陰りのヴェイ』と共に戦ったとされている。しかし、資料が少ない。世界を廻り、手がかりを見つけてきてほしい。」
きた!ルミナリアは思った。
「こちらからも、騎士団やライテスに調査をしてもらうよう手配する。」
「まるで、この時を狙っていたようですね。」
「察してくれて助かる。「父上」に似て賢いな君は。」
「「常識外」の「両親」を持つと、そうなります。」
「ところで、「父上」の創った「銀魚」は元気かな?」
「元気です。」
銀魚とは、ライテスが創った観賞魚である。
酒に酔った勢いで、「「金魚」がいるのだ!「銀魚」がいて、何が悪い!」と訳のわからないことを抜かして創った生物である。
「ご好評でなにより。」
すぱーん!
ルミナリアが、どこからともなく取り出したハリセンでライテスのどたまをどつく。
「まったく・・・若い頃から好き放題して!」
役に立つ物を作ると思えば、冗談のようなアホな物を作る「アホ親父」である。