第一章 朝
『おはようございます。滝川クリスタルです。』
受像機では、ニュース番組が放送されている。
居間では、ライテスとエリー。そしてユイが朝食を採っていた。
「変な夢みた・・・ここしばらくよ・・・」
『先日発見された遺体は、過呼吸によるものと断定。三流お笑い芸人のディスクが多数発見されたことから、『笑い殺された』ものと断定されました。』
「くだらない事件だな。」
ライテスは、夕飯の余りものの豚カツを口にほおばる。
『なお、被害者はモグロ氏と判明した模様です。』
「ほほお・・・『笑う詐欺師』として有名な・・・恨みを買っているものとみた。」
「地球にもそういうアニメあったよね。」
と、エリー。
「笑いながら、夜闇に消えるという・・・」
『火災現場で、開発中の『新兵器』・・・『洗浄車両』が実用化されました。この『洗車』は、大規模火災だけでなく、テロや暴徒の鎮圧にも一定の成果をあげており、科学導師のライテス卿に『非殺一撃兵器』として絶賛の声があがっております。』
「冗談で設計案を出したのだがな・・・」
コーヒーをズズットあおるライテス。
「元ネタは、『戦車』よね。」
「そう。アレの主砲を、ホースにできないものかと、地球でも考えていたものだ。」
やっぱり、『こっち側』の発想だったか。
ルミナリアは、ロールパンをかじる。
「父上・・・ここのところ、変な夢をみるんだけど・・・」
「どんな夢だ?」
ライテスの表情が、いつもの『親父ギャグ親父』から、『騎士』の表情に変わっていた。
「笑ウせえるすまん」と「戦車」が、元ネタです。