第三章 第三話 キティルハルム銃士隊
キティルハルム王国は、近年、精鋭部隊を新設した。
騎士団長の息子・ダルタニャン・アルムを隊長とする銃士隊である。
化学爆薬弾、魔法弾、ルーンブラスターの三モード切替可能なライフルと、ミスリルの剣を主兵装とし、臨機応変に活動できるエリート部隊である。
美少女と名高い、アラミス・エラル。
怪力のポトス・エル。
理屈屋のアトス・ミケランジェロの三人が、参謀である。
「よおっしゃあああああッ!気合いれるぞおおおおおッ!」
「「「おおッ!!」」
四人は、円陣を組み、手を重ねる。
「一人は、みんなのために!」
「「「一人は、みんなのために!!」」
「みんなは、一人のために!!」
「「「みんなは、ひとりのために!!」」」
そのようすを、ミスティが見ていた。
「暑苦しい連中ね・・・」
メガネをくいっと押し上げ、報告書を女王ノワール二世に提出すべく、王宮へ向かう。
「活躍の場は、あるのかしら。」
現実主義者の、ミスティには到底理解できない。
「これだから、脳筋は・・・」
実力はあるので、性質は悪い。
「まだ、ファルスト一族の方が「実用的」かもしれない。」
何気にひどいことを抜かしつつ、ミスティは路を急いだ。