第三章 第二話 新王朝の姫
『ついにお生まれになりました!国王陛下と女王陛下のご息女・ミリエーナ第一王女であられます!』
滝川クリスタルが、受像機の画面の向こうで、まくしたてる。
「クリスタルさん・・・すっかり元気になったなァ・・・」
煎餅をぼりぼりとかじる、邪馬台国の東宮・ヤマトタケル。
「ええ。見知った方のおられないこの時代・・・お辛いでしょうに。」
お茶をすする、許婚のオトタチバナ。
トラルティールの、ライテス邸・・・
なぜか、隣国の皇子カップルが、遊びに来ていた。
「あ・・・そうそう・・・従姉の一人のアメノウズメってのが、「芸能取締局」を設立したんだよ。早速、イズモノ・オクニって歌手が歌ったら、大ブレイクしてさ!調子に乗ったノブナガの部下のマエダ隊長の甥っ子のケイジって奴が、ナオエ・カネツグってのとバンドを組んで大暴れして大変で・・・」
ライテスが聞いたら、馬鹿笑いしそうだ。
「皇子様って、ヒマじゃないでしょ。」
「遊学だよ。ゆ・う・が・く!」
「はいです。」
まったく・・・
これでいいのか邪馬台国。
ルミナリアは、ため息をついた。
これでは、ただの悪ガキである。
見ていると、互いに尻尾をブラッシングしている。
「ここは、私の家です。こういうことは、宮殿でなさってください。」
「いいじゃんよ。」
「宮殿は、息がつまるのです。」
グレイは、こんなやりとりも見ているだけだ。
『ただいま、発表がありました。姫の師範は、白銀騎士のルミナリア・ライテス氏と決定いたしました。』
「なんだってぇッ!」
ルミナリアは、絶叫した。