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第三章 第一話 それは、もう一つの「神魔斬刀」
ルミナリアは、術式を何度も組みなおし、ついに剣の刀身に、光の刃を発生させた。
「で・・・できた・・・これは戦力になる!」
ルミナリアは、柄にもなく興奮していた。
「お嬢様。おめでとうございます。これで、「光の勇者レイスト」であられるフローラ様にひけはとらぬかと。」
グレイが、賛辞を贈る。
「まだよ!私は、「風」の属性が強いらしい。風の力を極めるわ!」
「して・・・術名をなんとお決めになります?」
「夜景風斬剣。」
その鍛錬の様子を、ライテスは見ていた。
「旦那様。お嬢様のセンスはなかなかのものでございます。」
ダニエルが言う。
「ユイも負けてはいない。水の化学式を教えたら、酸素と水素に分解して見せた。器具を使わずにだ。この世界における「科学導師」とは、ああいうものものなのだろう。」
「しかし、さすがに「光」を物質化させることはできないようで・・・」
「無理だ。あれは、「神」の術。第一、神波動に発現せねば、どだい不可能なのだ。」
ライテスは、娘を見た。
「「風の勇者」が誕生した・・・司書神の予言通りだ。」