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第二章 第三話 ティアムル三姉妹
「うへぇ・・・」
ある帰り道、フローラが疲労感たっぷりに肩を降ろした。
「どしたの?」
「あ・・・サニー、ルナ、メリーの三人・・・」
幼いながらにも、それぞれ「光・炎」「光・闇」「地・水」の属性の魔法を得意とするフローラの従姉妹の三姉妹である。
剣士の素養があるので、騎士学校に通っているが・・・
「私・・・ノーマルよ・・・従姉妹のお姉さんであって、「お姉さま」じゃないっての・・・」
「彼氏でも見つければ。」
「あああ・・・母上がうらやましい・・・!」
フローラの両親は、両家に同じ年頃の男女がいたため、成立したようなものである。
「ま・・・うちの伯父上は、恋愛結婚と政略結婚の両立だからねぇ・・・」
「あれはあれで、うらやましいわ・・・」
ルミナリアは、ある意味、フローラよりも「お嬢様」である。
「許婚が、欲しい・・・」
「バカ言え。自分で探せっての。」
ルミナリアは毒づいた。
「そんなこと言ってるから、よってくるのよ。」
今日のルミナリアの毒舌は、絶好調だった。