第二章 第二話 仮面夫婦騒動とは?
「ねえ。「仮面夫婦」騒動って何?」
まだ赤ん坊の妹、ユイ・アイン・ライテスを抱きつつ、ルミナリアがライテスに尋ねた。
「ああ。あれは、新婚旅行から帰って直後・・・お前がエリーのお腹にいるとわかった頃の話だ。」
「ウザい・・・」
エリーが、口をへの字に曲げた。
報道陣が、やたらと詰め掛ける。
レーザーパンダが追い払っているが、「射程距離外」から狙っている。
「これじゃあ、晩御飯の材料すら買いにいけない。」
ただでさえ、つわりで苦しいのに・・・
原因は、「仮面夫婦」であるという疑惑である。
「まったく・・・赤ちゃんまでいるのに、失礼な。」
「ぷ・・・くくく・・・」
ライテスは、あることを思いついた。
「???」
「どういうわけか、この国にも、「仮面舞踏会」ってのがある。折りよく懐妊祝いということで、殿下が招待して下さったのだよ・・・」
その日の夕方・・・
ある報道記者が、正装をした怪しい夫婦を捕まえ、質問しようとした。
しかし、彼は、逆に捕まってしまい、夫の方から質問を受けるはめになる。
「ひっ!」
驚くのも無理はない。
夫婦は、仮面をつけていたのだ。
「なんの用だね。私たちは、殿下の「仮面舞踏会」に参加するのだが、邪魔をしないでくれまいか?」
途端に通行人たちから、記者たちは、嘲笑の的になった。
夫は、ライテス。
婦人はエリーだった。
エリーは、自分の体調も忘れて大爆笑を始めた。
「ぷ・・・ぷくく・・・「仮面夫婦」と「仮面舞踏会」・・・く・・・くだらなすぎる・・・」
「と言うわけだ。」
「何よ・・・グレイが言ったことそのまんまじゃない・・・」
「それ以降だ。私たちの仲を疑う者がいなくなったのは。」
ライテスさん。前世から、このネタをやりたかったそうです。