第一章 第一話 王子様と親友になった
六歳の春。
僕は、騎士学校に入学した。
なんでも昔は、いろんな年齢でいろんな階級の人がばらばらに入学していたらしい。が、次第に高い教養を求め、身分問わず子供を入学させるようになってきたという。
さて・・・僕は、学校の大図書室にいた。
「魔法大全」という解説書だ。
これによると、「人間」は種族ごとに使える魔法に傾向の違いがあるとか。
中でも、「人間」+「エルフ」である「ハーフエルフ」は、苦手無しのようだ。すごい。
「あれ?君は、こういうものに興味があるんだ。」
一人の少年が、声をかけてきた。
ぱっと見、「人間」のようだが、人犬のような人懐っこさと意思の強さを感じさせる。こりゃ人狼系だな・・・
年の頃は、僕と同じくらいと見た。
「意外とあてにならないよ。君だって、「人間」をベースに「エルフ」「ワーウルフ」「竜族」が混ざってるじゃないか。ライテス・ヴァルシュタイン君。」
えっ!?
なぜわかった!?
まだ名乗っていないのに!
「僕は、ユーフェル・トラルティア。よろしく。」
ユ・・・ユーフェル・トラルティアだって!?
この国の王子様じゃないか!
「こ・・・こちらこそよろしくお願いします!」
こうして、僕は、王子様と親友になった。