第一章 第四話 アルミニウム
「本当かい!?土から採れる金属とは!」
ユーフェルが、興奮してライテスに尋ねる。
「はい。つきましては、国内に「陶器」に使用すれば、硬くなる土が産出される土地はありませんか?」
「うーん・・・ミリエール・・・どうだい?「ウズドガルド領」にそういうところは、あるかい?」
ミリエールは、少し考えて答える。
「リアーナ地方が、そうですわ。まさか、そんな金属があったとは・・・」
「しかし・・・どうして、そんな金属を?」
「電子機器、航空力学、宇宙開発に絶対必要とされるもので、「アルミニウム」と申します。「地球」では、鋼鉄に混ぜ込み「ジュラルミン」とし、航空機や高速鉄道の外郭装甲としています。更に、「宇宙戦艦」には、オリハルコンとの合金「オリハルコニウム」が使用されていた模様。国内外の発展は更なるものとなるかと。」
「もしかして、魔装ゴーレムの装甲にも使えます?」
ミリエールが、ライテスに尋ねた。
「ええ。「地球」のSFアニメのゴーレムにも、似たような装甲があったようです。」
「つまりは、MSみたいな?」
「そう。」
しばらく考えたユーフェルは、きりだす。
「どうやって採りだす?」
「はい。電極を溶液に浸し、魔力を流し込む「電気精錬」を行います。」
「アルミニウムの利点は?」
「再利用しても減らないのです。」
「しかしこれは、科学導師というよりも錬金術師の仕事だ。開発が終了したら、錬金術師に廻そう。」
ユーフェルが、決定をくだす。
「こんなものを次々と、つくるなんて・・・」
ルミナリアが、つぶやいた。
「かつて、「地球」の神の一人が言ったそうだ。「人間は、やがて火の中から、もっと怖ろしいものを生み出すだろう。」と・・・そして・・・できてしまった。」
「やるの?」
「やらない。あれは、この王都トラルティアを軽く数回は破壊できる。しかし、その恐ろしさは、破壊力とは別のところにある。」
「それは?」
「・・・「被爆」と「遺伝子障害」という呪いよ。幸いなことに、あの船にはなかったけど。」