第一章 第三話 あれからの歴史
西暦2100年代までは、それまでと変わらない時代が続いたようだ。
だが、2200年代からは劇的に変わる。
火星、金星の入植。それに伴う戦乱と統合。
これにより、国連が昇格し、「地球連合」が発足。
やがて、太陽系を出て、大航海・大開拓時代に入る。
時に侵略国家と戦い、時に友好国と統合・・・そうして人類は版図を銀河にまで拡げ、「銀河連合」を発足する。
やがて、人類は「強化機動服」を大型化した機動兵器・テルナハルを開発。
これより、他のいくつかの星雲国家と同盟を結び、平和の道を模索していくが、時としていくどか『悪魔』と称する超高度知的生命体と戦争を繰り返すが、やがてその正体が旧約聖書の悪魔と判明。
これまでの歴史は、宇宙を保持・発展させようとする『創造神族』と宇宙を破壊しようとする『破壊神族』との代理戦争だったのだ。
さらに、人類の中から、転生を繰り返し覚醒した『創造神王』十二人と、悪魔の仲から覚醒した『破壊神王』十二人とが戦い、和平に至った。
そうして、創造神族は『調和』の神として。
破壊神族は、『調停』の神として、『宇宙界』の監視をするようになった。
「なんてこった・・・」
ライテスは、頭を抱えた。
「じゃあ、今は、外の人類なんて、私たちの頃より発展している訳ね・・・」
エリーが言う。
「しかし、コレ・・・どうします?」
ルミナリアが要人に尋ねる。
「使う。」
ライテスが答えた。
「超魔王の力が、未知数である以上、こちらも手をこまねいている訳にはいかない。展開概念図を。」
ライテスの指示で、スクリーンに全体図が現れた。
ブロック構造で構成されているため、変形が可能。さらに、強力な主砲が撃てる模様。
「では、構造材を。」
そこに示された金属とは・・・
「オリハルコニウム・・・?」
それは、ライテスがよく知る金属とオリハルコンの合金だった。
ライテスは、その金属の特徴と精錬法を紙にメモし、ノワール二世に渡す。
「とある金属の精錬法です。申し訳ありません!急用ができました!帰国し、主君に報告したいことができましたゆえに!」
口早に言うと、ルミナリアとエリーの手をつかんで、転移する。