第一章 第二話 神話の時代の解明
「ラムンセン、エルフィーラ、キティルハルムの調査隊から、支援要請があった。」
ユーフェル国王は、ルミナリアとライテスを呼ぶと、そう切り出した。
「では、例の宇宙戦艦を調査すれば、いいのですね?」
ルミナリアは、そう切り返す。
「しかし、記録を積んだと思われる電算機の言語が、読み取れんらしい。そこで、考古学と科学の造詣が深いライテスと、もう一人について行ってもらいたい。」
「誰ですかそれ・・・」
ユーフェルが、手をたたくと、そこに一人の女性が入ってきた。
「は・・・母上!?」
そう。
ルミナリアの母、エリアリア・ライテスだった。
「ど・・・どうして・・・?」
「前の調査のとき、記録言語が、『日本語』だったのを突き止めたのよ。」
それは、『地球』という世界の『日本』という国の言語だった。
ラムンセン南端・・・
古代宇宙戦艦内部・・・
そこには、多くの錬金術師や科学導師が、集まり、調査をおこなっていた。
「お久しぶりです、キティルハルム女王ノワール二世陛下。」
そこには、ノワール二世がいた。
傍らには、ノワール二世そっくりの、白衣の女性がいる。
メガネが似合っている。
「考古庁長官ミストリア・キティルハルムです。ミスティとお呼びください。」
そして、ルミナリアを見る。
「初めまして。ルミナリア卿。貴女をとりあげたのは、私の三番目の姉なので、感動しておりました。」
そう言って、にっこりと笑う。
母親よりも、学者仕事が似合いそうだ。
「まずは、これを・・・」
エルフィーラの科学導師と、キティルハルムの科学導師が、パネルを操作する。
前面のスクリーンに、文字の羅列が示される。
そのとき、ライテスとエリーの顔色が、一瞬で変わった。
「起工・西暦6272年だと!?そんなバカな!」
ライテスは、さらに読み進める。
「完成したのは、西暦6280年か・・・ドックがあったのは、銀河連合国首都・地球の管轄火星の衛星フォボス軌道上軍工廠・・・」
「母上・・・父上は、何を驚いて・・・?」
「え・・・ええ。私とライテスが、『地球』にいたのは、西暦2015年だったわ・・・」
「それでは・・・この船は、転生人のあなた方にとっても、『オーバーテクノロジー』の塊ということですね?」
ノワール二世の言葉に、ライテスはうなずいた。