序章 大魔王たちの株主
とある地底の、闇の中・・・
そこは、研究所を思わせる。
闇の中から、二足歩行のネズミが、歩を進めてきた。
「やあ!大魔王諸君!」
「今度は、誰が、我々の「株主」なのだ?」
「闇の大魔王」ウォレスト・ダイアレートが、尋ねた。
「うん。ウズドガルド王家・第三家当主さ。」
ネズミ・・・彼の名は、実験用マウス一号。
超魔王を作り出した、科学導師の助手である。
「何万年も、つらかったなあ・・・けど、超魔王もよみがえる。ご主人様たちの・・・僕の夢もかなう。特に、そうして自ら「ダイアレート」を取り込んだ君は、特にそうだよね、ウォルスト。」
「ああ。」
「それにしても、傑作だよね!「人間」も業が深い!「光の勇者」の一族の出である君を、よりにもよって「エリート」に育て損ねて「クズ」にしちゃった!ご主人様の時もそうだった!笑える。けど同時に・・・」
「「許せぬ」だろ?」
「うん。」
実験用マウス一号は、重々しくうなずいた。
「あの時は、「六人の勇者」に邪魔をされた!そのせいで、輝きのレイ、陰りのヴェイ、魔女エレノラに遅れをとった!エレノラは殺したけど、その使い魔が、遺産をでかくして守って国にまでした。でも、今回はこれで、終わりだよ。」