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第一章 幼年時代
この世界は、生前僕がいた世界と比べれば、中世のヨーロッパをイメージさせる。
だが、見かけに騙されてはならない。
魔法のアイテムで、必要な物は全て補われている。
携帯替わりに使える魔法珠、魔法力演算機なるシロモノ・・・
魔法力で動く列車・・・
数えればキリがない。
この国は、トラルティア。
獣人族の血をひく王様が治める、立憲君主制の王国だ。
さて、僕はトラルティアでトップクラスの名門貴族・ヴァルシュタン家の三男坊として産まれた。
うーん・・・生活は困らんが、苦労しそうだ。
何せ、長男・ガルスは次期当主。次男・クラシスは、ティアムル家の次期当主ライザのところへムコ養子になることが決まっている。ニートなんぞは、日本より風当りが強そうだ。
とにかく、騎士学校に入学することが決まっていたので、そこから考えてもよさそうだ。