第四章 結婚
釈然としないままだったが、僕はグラエストを捕らえてトラルティアに凱旋した。
兄たちは、混沌の大魔王カオティカ・アスアレートを倒してきたという。
「そうか・・・時は近いのかもな・・・」
病床の陛下は、僕とエリー姫を見て言った。
「ライテス・・・エリー・・・式の日取りは決めておいた。一ヵ月後だ。その日より『ライテス家初代当主』を名乗るがよい。」
この世界で、そう言われることは「分家」の初代当主となるということ。
言ってみれば、「独立」とも「暖簾わけ」ともいえる。
とんとん拍子に話は進み、僕とエリー姫は結婚した。
そこで、僕は、新婚旅行と称してキティルハルムに向かうことにした。
あの国は、聖職者は一切入国禁止となっている。
もっとも、聖職者と名乗らなければいいだけで、「布教活動」をしようものなら、ひどい目にあう国である。
出かけるにあたって、使い魔を何体か製作した。
黒いカラスの使い魔「ダニエル・カラス」。雄である。
白いカラスの使い魔「マリア・カラス」。雌。
レッサーパンダの雄レッスルと雌メルである。
レッサーパンダには、レーザーライフルを与え、警備を任せた。
二人(?)には、関係者名簿を渡しているので、むやみに人は襲わないだろう。
なぜか、ダニエルとマリアは僕たちについてくることになったが・・・
ダニエルとマリアは、「カラス」つながりです。レッサーパンダは、「レーザーパンダ」とよばれています。(笑)